更新日:2024.05.10愛鳥週間!ズーラシアのオオワシとカモメたち
愛鳥週間!ズーラシアのオオワシとカモメたち
5月10日~5月16日は愛鳥週間になります!
野鳥を守ったり大切にしたりする気持ちを持ってもらおうという目的はもちろんのこと、野鳥だけではなく、野鳥を取り巻く環境について考えるきっかけを作る目的もあります。
そこで!改めて、ズーラシアで飼育しているオオワシ、ウミネコ、キアシセグロカモメのことをご紹介したいと思います。
★オオワシ
ズーラシアではオスのワシオ(1995年5月27日生まれ)、メスのワシコ(1995年3月5日生まれ)の2羽を飼育しています。
写真左側がワシコ、右側がワシオです。
「大きなワシ」のその名の通り、とっても大きな鳥です。両翼を広げた時の、翼の先から翼の先までの長さはなんと、2mを超える大きさになります。
ワシオは特に、繁殖期が近くなると獣舎に入ってくる飼育員に対してとても威圧的になります。大きな翼を広げてパタパタと振って威嚇をしてくるので、それはもう迫力満点で怖いです。
ちなみに猛禽類のほとんどは、オスよりもメスのほうが一回りほど大きくなります。ワシオとワシコも並んでみると、ワシコのほうが大きいのが分かると思います。
★ウミネコ
なぜ、「ネコ」という名前が付くのでしょうか?
答えはウミネコの鳴き声にあります!ウミネコの鳴き声を聴いてみるとネコのように「ミャア」と鳴くことがあります。これが由来で、海にいる猫(鳥だけど)でウミネコという名前が付きました。
ウミネコはチドリ目カモメ科に分類されるカモメの仲間です。ちなみに、ただの「カモメ」という名前の種類もいるので、紛らわしいですがウミネコ=カモメではないので間違えないでくださいね!
★キアシセグロカモメ
「キアシ」と名前がついているけれど、足の色は黄色の個体もいればピンクっぽい色をした個体もいます。おまけに「セグロ」と名前がついているけれど、背中の羽の色はそれほど黒くはありません。どちらかというと灰色に近いです。
キアシセグロカモメは、縄張りを主張するときなどに「クォーハッハッハッ」という声で鳴きます。人が笑っている声のようにも聞こえて、とても面白いです。ぜひ直接見て聞いてみてください!
さて、ウミネコとキアシセグロカモメは同じ展示場にいるので、見分けるのが難しいかもしれません。でも、ポイントさえ覚えてしまえば簡単に見分けることができます!
まずは、くちばしです。
キアシセグロカモメのくちばしは、下くちばしに赤い斑があります。
一方でウミネコは、上くちばしに黒い斑、下くちばしには黒と赤の斑があります。
〈キアシセグロカモメのくちばし〉
〈ウミネコのくちばし〉
次に尾羽です。
キアシセグロカモメは真っ白な尾羽をしています。
一方でウミネコは尾羽に黒い線が入っています。このことから、ウミネコは英語で「black-tailed gull」(黒い尾をしたカモメ)と呼ばれています。
翼を広げた時にはっきりと見えるので、この識別方法はなかなか難易度が高いかもしれませんね!
写真は羽繕い中にちらっと見えた尾羽の様子です。
〈キアシセグロカモメの尾羽〉
〈ウミネコの尾羽〉
そして、大きさです。
キアシセグロカモメはウミネコよりも一回りほど大きいです。
2種が並んでくれれば、その差は一目瞭然です!!
〈写真左側がキアシセグロカモメ、右側がウミネコ〉
ぜひ、種の識別をしながらキアシセグロカモメ、ウミネコを観察してみてくださいね。
ざっとではありますが、3種の紹介をしてみました。
次回は、3種の暮らしている環境のこと、そして直面している問題についてお伝えしたいと思います。
飼育展示係 田中