更新日:2021.07.10正解は⁉
正解は⁉
前回のブログ(本当にヒヨコ?)
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/details/post-1399.php
の解答編です。
正解は
インドクジャク(白)の雛でした!
今回の繁殖は、飼育員が孵化させる『人工孵化』という形をとりました。
その理由は、野毛山動物園では現在、白いインドクジャク(正式ではありませんが、以下白クジャク)は雄1羽、雌2羽の計3羽を飼育しており、キジ舎で飼育しているのが今回繁殖した雄のアズキと雌のアンズのペアです。しかし、3羽とも今年で10歳を超え、今後も野毛山動物園で白クジャクの飼育を継続していくために、そろそろ次の世代を設けておく必要もあります。
そして、これが今回孵化した雛の母鳥のアンズです。
アンズは毎年順調に産卵し、アズキとの間では有精卵がとれるペアであることは分かっていました。
しかし、アンズの場合、抱卵(卵を温めること)をするのが繁殖期終盤の7~8月になります。
本来なら、母鳥が自ら孵化・育雛(雛を育てること)をする方が自然で、雛が順調に育つ確率が断然高いのですが、繁殖期終盤に抱卵するアンズの場合、もし繁殖がうまくいかなかった際、次季の繁殖期まで待つことになってしまいます。
実は、昨年は自然繁殖する方にかけたのですが、結局すべてが無精卵でした。
そのため、今季は有精率が高いと思われる初卵から人工孵化することに決めていました。
そして、2021年4月4日にアンズが今季初の産卵をしました。
検卵中のアンズの卵です。卵を光にかざすと、卵内に血管が走っているのが分かります。これが有精卵です。
その卵を孵卵器という母鳥代わりに卵を温めてくれる機械に入れました。そして26日目の2021年4月30日、卵にひびが入り始めました。孵化間近です。
この時、卵の中では雛が嘴の先端についている卵歯(らんし)という突起を使い、自らの力で卵の殻をつついて外へ出ようとしています。
しかし、そんな時の飼育担当者はとても無力で、せいぜい卵に向かって「頑張れ~!!」と励ましの声を掛けることくらいしかできません。
でも、中で頑張っている雛の存在を確かめたくて、卵を自分の耳にあててみると、卵の中からピヨピヨと雛の鳴き声が聞こえます。この瞬間が本当に感動なのです(泪)。
ずっとその声を聞いていたのですが、あまり長い時間、卵を孵卵器から出しておくと冷えてしまうので、温かい孵卵器に戻し、雛の生命力を信じ、あとはそっと見守ります。
「早く出てきてね!」
そして、数時間後に孵卵器の中を覗くと・・・。
居ました!!!
まだ、孵化したばかりで羽が濡れています。
頑張って硬い卵の殻を割って出てきたので、少し疲れた様子ですが大丈夫そうです。
こちらが雛が出てきた後の卵の殻です。
まさに、パカッと割れて出てきたのが分かります。
「おめでとう。よく頑張ったね!!」
まだ性別が分からないので、味気ないですが、ひとまず№23番の雛と呼んでいます。
「№23、これからよろしくね。元気に育ってね!!」
『あれっ?』と、もうお気付きかと思いますが、もうひとつ卵があります。
長くなってしまったので、そちらは次回ご報告いたします。
※今のところ、インドクジャクの雛の公開予定はございません。ご了承ください。
飼育展示係 大谷