更新日:2021.07.10特別天然記念物から探るSDGs
更新日:2021.07.10
特別天然記念物から探るSDGs
SDGsの名のもとに、自らの行動を顧みなければならない今日この頃、ミヤコタナゴの繁殖について考えてみたい。
ミヤコタナゴは淡水二枚貝に産卵して、二枚貝のエラの中で稚魚を孵化させる特異な繁殖生態を持っています。
二枚貝だって生き物であって、生物多様性を維持する資源でもあります。そんな貴重な資源を絶やさないように動物園も考慮しなければなりません。
そこで、金沢動物園のS職員が人工の産卵母貝となるような装置を作ってくれました。
貝のエラの構造に似せて、出水管と入水管を出しときます。
これをタナゴが二枚貝だと認識してくれれば、メスが出水管内に産卵してくれるはずです。
メスが産卵後にオスが入水管に射精するはずです。
まだ試行段階ですので、ミヤコタナゴの行動をよく観察して、産卵を誘発できるような装置へと発展させていくつもりです。
残念ながらバックヤードでの試行となりますので、展示水槽でご覧いただけません。
(飼育展示係 川崎立太)