更新日:2024.12.15庭園散歩【2024年12月15日】
庭園散歩【2024年12月15日】
本日、10時から庭園散歩を開催しました。
講師は、横浜市こども植物園の元園長、六浦勉さんです。
まず植物全体の解説から始まります。
常緑樹と落葉樹の違い、被子植物と裸子植物の違い、発芽の形態も葉が一枚(単子葉植物)で発芽するもの、双葉(双子葉植物)で発芽する植物の違いなど...
また、気候と樹種の違いについて。私たちが暮らす横浜は常緑樹林帯です。北に向かうほど針葉樹が増え、針葉樹林帯になります。
冬晴れの園内を講師の解説を聴きながら観察会が始まります。
▼カンツバキ(ツバキ科)~もみじ坂~
▼サザンカ(ツバキ科)~もみじ坂~
常緑樹で花弁が筒状。ツバキの仲間です。ツバキの仲間には、小ぶりで白い花を咲かせるチャノキなどもあります。
▼モミジ(ムクロジ科)~もみじ坂~
12月は庭園の主役です。
ここで紅葉の仕組みについて...
温度が下がると葉の付け根に離層が発達して、たんぱく質の分解が始まります。クロロフィルが不安定な状態になり、葉脈の中にカロチノイドだけが残るので黄葉となり、その時に赤い色素(アントシアニン)が同時に生成されると赤い葉になります。日光不足だとアントシアニンが生成されないため、黄葉もしくは緑の葉のまま落葉します。
▼ミズキ(ミズキ科)~もみじ坂~
落葉樹です。自然遊びでミズキなどのやわらかい落葉樹の葉柄に爪で切り込みをつけ、伸びた葉柄の長さを比べる遊びがあります。これは、らせん状になっている植物の道管や師管をつぶすことにより、らせん状が伸びることを遊びに取り入れたものです。
▼ツバキ 白侘助(ツバキ科)~もみじ坂~
常緑樹です。茶花として有名です。
▼センリョウ(センリョウ科)~内苑~
おめでたい植物として、お正月などに飾られます。お金に由来する植物は他に、マンリョウ、カラタチバナ(百両)、ヤブコウジ(十両)、アリドオシ(一両)などがあります。いずれも赤い実をつけることで縁起が良いとされます。
▼シダ類(維管束植物)~園内~
胞子によって殖えます。胞子植物は他に苔や藻類などがあります。葉緑素を持たない胞子植物の仲間は主に菌類でキノコやカビなどがあります。
▼アスナロ(ヒノキ科)~内苑~
常緑針葉樹です。針葉樹の仲間は常緑樹が多く、落葉性の針葉樹にはメタセコイアやカラマツなどがあります。
▼ゲンカイツツジ(ツツジ科)~内苑~
落葉低木です。玄界灘に面した地域に多いのが名前の由来です。
▼タイワンツバキ(ツバキ科)~四季の花苑~
常緑高木。台湾や中国南部に多く自生します。
▼アシズリノジギク(キク科)~四季の花苑~
高知県足摺岬から愛媛県にかけて多く自生しています。
▼イソギク(キク科)~四季の花苑~
日当たりと水はけがよい場所を好みます。庭園のイソギクは半日陰の為、草丈が高くなっています。
10時にスタートしたときは肌寒く感じましたが、観察会が終了する11時半には日差しも暖かく、冬の晴れ間を楽しめました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
次回の庭園散歩は1月19日(日)10時からになります。受付開始は1月11日(土)9時半からとなります。
お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。