更新日:2022.10.17ブログ de トラベル ~ アメリカ南西部⑩ ~
更新日:2022.10.17
ブログ de トラベル ~ アメリカ南西部⑩ ~
6月より長々と続いたブログdeトラベル・アメリカ出張編、ついに最後のヘサキリクガメのお話です。
ヘサキリクガメはマダガスカル北西部のほんの一部に生息する世界でもっとも絶滅の危機に瀕しているリクガメです。野生下には400頭以下の個体数しかいないと言われており、密猟や焼き畑による生息地の破壊、外来種のイノシシによる卵の食害などで数が減っています。マダガスカルの保護施設では繁殖に成功しているのですが、それ以外の地域で保護されて飼育されているヘサキリクガメはほとんど繁殖に成功していません。TCの保護センターでも繁殖には至っていませんでしたが、広い放飼場でヘサキリクガメが飼育されていました。
成体と幼体に分けて飼育されており、成体の放飼場は大変見ごたえがありました。世界で一番絶滅の危機に瀕したカメがわらわらとたくさん飼育されていて、私にとって興奮ものです。こんなにたくさんいるのかと思いつつ、これだけ密輸個体がいたのかと少し複雑な気分です。
遠くでガッコンガッコンとアタックする音が聞こえたのでそちらを見てみると、オスが交尾を仕掛けてメスにアタックしている最中でした。私が目を輝かせてヘサキリクガメを見ている間に、繁殖刺激を与えるために水を撒いてくれたようです。
最終的には交尾をしていましたが、オスの精液に精子が見られないそうで、繁殖までには至っていないとのことでした。
やはりヘサキリクガメは1回では終わりませんね。次回がアメリカ編最終回になります。
飼育展示係 桐生