更新日:2022.02.06「ブログ de トラベル」イエローストーン&グランドティートン国立公園 その4
「ブログ de トラベル」イエローストーン&グランドティートン国立公園 その4
国立公園は、グルっと一周フェンスで囲われているわけではないので、当然動物の出入りは自由です。そのため、公園の外でも大物を見かけることがあります。
旅行の最終盤、グランドティートンを抜け、街へ戻る途中で見かけたのは大きな角を持つ、雄のヘラジカでした。
木の陰からヌッと現れた姿は存在感たっぷりです。公園内ではないので、立ち入り禁止ではない草地で写真を撮っている人がいます。
こんな近くにいる人も。この人、周りのギャラリーにたいそう怒られていました。国立公園でなくても、動物の生活圏にお邪魔していることを忘れず、距離をとって観察するマナーはしっかり守りたいものです。動物に攻撃され、怪我をする危険性もあります。
ヘラジカの名の通り、木の枝も引っかかってしまうような立派な角を持っています。
頭を振って枝をポイッの決定的瞬間をカメラに収めていると、隣の人が「雌もいるよ」と教えてくれました。
雌は、好物の柳の葉を食べていました。金沢動物園にいたヘラジカの最後の1頭、ウィローのために、担当者がせっせと柳を集めていたな、あ、そういえば、ウィローは柳って意味だった、なんてことを考えながら採食風景を眺めていました。そんな時...。
チャポンッという音をたてて近くの小川に浸かりました。ヘラジカは水草を好んで食べ、水辺を好む動物です。野生の様子を見ると、あー、ほんとに柳を食べるんだ、ほんとに水辺にいるんだ、と情報として持っていた知識を実体験として感じることができます。
雌が当歳児と一緒にいる以外、通常は単独行動をするヘラジカ。9月中旬のこの時期、出会った2頭は繁殖のためのペアでしょう。あれからもう3年以上が経ちます。彼らの子どもが雄大な自然の中、立派に生き残り、次の世代を残しているといいな、と横浜の地で思っています。
(はんざわ)