更新日:2015.11.24実りの秋
実りの秋
秋も深まり、花の数は極端に少なくなってきました。
植物は子孫を残すために花を咲かせ、実を成らせ、いろいろな方法で子孫を残そうとしています。
そんなわけで、今回は園内にある植物の「実」を紹介します。
① オオムラサキシキブ (クマツヅラ科)
比較的暖地の海岸近くの山の林縁に自生し、紫色の美しい実をつけます。
初夏に、薄紫色の細かな花を咲かせます。
そんなことから、この名前がついたと思います。
実は、秋が深まるとともに、野鳥についばまれ、他の地域にフンと共に種子が散布されます。
② スズメウリ (ウリ科)
自然公園付近の林縁に自生し、写真のような小さなまん丸の果実をつけます。
初めは緑色の実ですが、秋になると白くなり、
やがて実の中にある種子が、透けて見えるように変身します。
③ センダン (センダン科)
初夏に藤色の美しい花をつけます。
その後実が付くのですが、それほど目立ちません。
晩秋になるとクリーム色になり、目立つようになります。
葉が落ちると、まるで「千の団子」のように見えます。
ドバトやヤマバト(キジバト)の冬の食料となっています。
④ マユミ (ニシキギ科)
この辺の山の明るい林縁に自生します。
昔はこの材で弓をつくったことから、「真弓」の名がつけられたと言われています。
同じ科である「ニシキギ」のような紅葉は見られませんが、
実は、薄赤い仮種皮とともにニシキギより美しいと思います。(個人の感想です。)
⑤ タンキリマメ (マメ科)
『種子を食べると、痰を鎮める』という俗説から、この名前がついたと言われています。
赤い鞘が開くと真っ黒な実が鞘とともにつき、かなり印象的な植物です。
よく似たトキリマメも同様の実をつけますが、トキリマメのほうが葉が薄くスマート感があります。
⑥ クロガネモチ (モチノキ科)
常緑で真っ赤な実をつけます。
野鳥にとって、あまりおいしくないのか、
野鳥がいよいよ食べ物がなくなって最後に食べる実のようで、
厳寒の頃まで残っていますが、無くなるときは一気に食べつくされてしまいます。
これらの実は、野鳥などに食べられる様、目立つ色をつけたり、おいしい味だったりします。
食べられることで、遠くに種子を運んでもらうことで、子孫を増やしているのです。
みのり豊かな晩秋の植物を、ぜひ探してみてください。
by花咲じじい