更新日:2015.05.19「初夏のおもしろ自然林」
更新日:2015.05.19
「初夏のおもしろ自然林」
先週、「季節はずれの台風」が温帯性低気圧に変わって通過し、
久々に恵みの雨をもたらしてくれました。
風が吹いたわりには、小枝が散るくらいで、さほどの被害らしい被害もなく安堵しました。
おかげで、山の緑はいっそう輝きを増して、今やもうすっかり初夏の風情です。
さくら山やドングリ池のあたりでサイハイランが咲き始めました。
花のかたちが戦国の武将が兵を指揮するのに使った采配に似ていることから、
名づけられたそうです。
地味な花で、一本の茎に葉が一枚しかついていません。
同じく、やや薄暗い木々の下にオカタツナミソウの花が鮮やかです。
真横から見た花の姿を波頭に見立てるなんて、昔の人は風流だったんですね。
どこからともなく甘―い香りがただよってきました。
初夏の風物詩、スイカズラです。
子供の頃、筒状の花の底にたまっている蜜をよく吸いましたっけ。
咲き進むにつれて、花は白からだんだん黄色く変わるので、
地方によっては金銀花の別名もあるそうです。
しだの谷の入口付近でヤブデマリが涼やかに咲いていました。
周辺部につく花は、雄しべも雌しべも機能しない
中性花と呼ばれるもので、中心の花に虫を呼び寄せます。
本格的な夏に向かって日射しが強くなる中、自然の花たちに一服の涼を求めるのも一興です。
(担当 マグノリア)