更新日:2020.05.12オオタカの肘関節脱臼
更新日:2020.05.12
オオタカの肘関節脱臼
昨年度末、オオタカが保護されてきました。
オオタカと聞くと山奥にしか生息していないようなイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、実は横浜市内の樹木の多い大きな公園などにも生息しており、意外と身近な環境にもいたりします。とはいえ、神奈川県のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類に指定され、スズメやヒヨドリなどと比べると希少な鳥類です。
そんなオオタカですが、金沢動物園では年間1~2件程度の保護があります。保護原因としては、幼鳥が餌をとれず衰弱して保護されることが多いのですが、今回は肘関節の脱臼のために保護されてきました。
赤い丸の部分が肘の関節なのですが、反対側と比べると骨の位置がずれているのが分かります。治療する獣医師としては、脱臼は厄介で、骨折していた方が治療が簡単なこともあります。
患部を医療用のスクリューとワイヤーを用いて固定しています。
もともとの飛翔能力が完全に回復できるかは難しいところですが、今のところ着実に回復し、かなりの距離を飛ぶことが出来つつあるので、リハビリを経て野生に戻すことが出来る日が来ることを願っております。