更新日:2021.02.24ヤマアカガエルはじまりました
ヤマアカガエルはじまりました
今年もカエルの季節がやってまいりました。毎年、1月下旬から3月にかけて金沢動物園ではヤマアカガエルの産卵がみられます。
1月上旬に入口のトンネル近くの池にたまった落ち葉を掃除して、ヤマアカガエルの産卵に備えました。
落ち葉などの有機物は、オタマジャクシの餌にもなるのですが、春になって水が温まると落ち葉などの分解が進んで水質が悪くなることがあります。金沢動物園のような水の出入りのない池では程々に掃除しておくのが良いと考えています。
1月下旬から数匹のカエルが水場に集まり始めました。オスはメスを見つけると、背中から抱き着いてしっかりとキープします。ただ、この日は寒かったせいか、背中のオスが寝ているように見えました。
2月初めの暖かい日に数十匹のカエルが集まっていました。
オスの数も増え、メスの取り合いが見られます。
カップルの後ろから近づく怪しいカエル(オス)・・・
「オレのメスに触るんじゃない!」って感じで、背中のオスが蹴り飛ばします。
この後も、独りオスはメスをゲットするために戦いを挑み続けていました。
翌日には卵が産んでありました。
2月中旬の大雨の日に2回目のピークがあり、今では100個以上の卵塊があります。
2月初めに産卵された卵は、すでにオタマジャクシが孵化していました。
3月ごろまでもう何回か産卵のタイミングがあると思います。特に暖かい雨の日はカエルが産卵する確率が高く、日中から盛んに「キュルルル」と鳴いたりしています。池に集まるヤマアカガエルが観察できると思います。
ヤマアカガエルにとって、金沢動物園の浅い人工の池は大切な繁殖地になっていて、職員はカエルの産卵時期や、オタマジャクシがカエルになって山に帰っていく時期を見計らいながら施設のメンテナンスをしています。
ちょっと手間がかかるかもしれないけれど、動物の都合に合わせることで、いろんな生きものと一緒に暮らすことができます。
今年も無事に大人になるといいなあ。
飼育展示係 先﨑