更新日:2016.11.15ボタンの歯
更新日:2016.11.15
ボタンの歯
金沢動物園で飼育するポニーのボタンに、ある日ほっぺが膨らんでいるのが発見されました。
加えて、どうもエサの食いも、あまりよくない事が明らかになりました。
口の中を確認すると、ほっぺが膨らんでいる部分に食べた草が一杯詰まっているのが見つかりました。
そして、どうやらその部分の歯がグラグラ動いているのです。
これは、グラグラする歯と歯茎の間に草が詰まってしまい、結果その詰まった草にドンドン草が引っかかり、ほっぺが膨らむことになったようでした。
加えて、歯茎に感染が起こり、歯周病のようになっていると考えられました。
そこで、ボタンに鎮静剤を注射し、飼育員の方々に保定してもらいながら、ボタンの抜歯を行いました。
麻酔ではなく鎮静で抜歯を行ったので、時折ボタンも口をかみかみし、頭を振り、体を動かしで、なかなか大変な処置となりました。
最終的には歯周病になっていた歯を抜くことができ、その後、抗生物質の投与を行い、ボタンの口の状態もすっかりよくなりました。
今は元気に過ごしています。
これが抜けた歯です。
ボタンは元気にまだまだ長生きしそうです。(木戸獣医)