更新日:2021.07.04ヤマユリを育てています
ヤマユリを育てています
梅雨らしい梅雨で雨続きの今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この時期、金沢動物園で咲き誇る花たちといえばアジサイとヤマユリです。アジサイは終わってしまいましたが、ヤマユリは元々自生していたものです。日当たりのよい山林の縁などに生えることが多く、金沢動物園ではアフリカ区キリンの前やしいの木山展望台付近に多く見られます。
この花が咲いていると、あたり一帯にむせかえるような芳香が広がります。神奈川県の県花にもなっており、明治時代にはその美しさと香りから海外に輸出され、大事な外貨獲得手段だったというのも頷けます。
そんなヤマユリを来園者の皆さんにもっとご覧いただけないかと思い、3年ほど前から日陰にあるヒョロヒョロの株や園路から見られない所の株を鉢植えにして育てています。鉛筆より細い茎で添え木がないと直立もできなかったような株が、2年も育てるとしっかりと自立できるほど太くなり、花がいくつも咲く株に育ちます。
そして今年、育てて蕾(つぼみ)のついたヤマユリの鉢植えを、動物園入り口の池の上に置いてみました。
ちょうど日光浴をしていた大きなアオダイショウの邪魔をしてしまいましたが・・・。
園内の自生のヤマユリから少し遅れて6月末から鉢植えのヤマユリも咲き始めています。このブログがアップされる頃には枯れてしまっているかもしれませんが、花が終わったらピックアップして肥料を与えて、また来年に備えたいと思います。
2年前から秋に種を採取して育てることもしているので、ここのヤマユリは人工授粉をしておきました。ヤマユリは種を植えてから発芽するまで二冬越さないと芽が出ず、種をまいてから花が咲くまで5年かかるそうです。2年前の冬に撒いた種がようやく今年の春、芽が出ましたので、気長にやっていきます。
祖父が盆栽屋を営んでいた植物好きの傷病・教育普及担当 桐生