更新日:2021.11.26運び込まれたタヌキ
更新日:2021.11.26
運び込まれたタヌキ
金沢動物園では神奈川県からの委託を受け、神奈川県内の傷病動物を受け入れ治療を行っています。
したがって他県からの野生動物は受け入れられませんが、神奈川県内で保護された傷ついた野生動物が毎日のように運び込まれてきます。(現在は鳥インフルエンザの関係で鳥の受け入れを中止しています。)
ある日、新たな動物が来た連絡を受け、状態を確認すると...。
タヌキでした。首にワイヤーが食い込んでいます。縛創(ばくそう)です。
ワイヤーによって首一周の皮膚が裂け、そこには大量のウジがわいていました。
まずはワイヤーを切断。
これはくくり罠です。
くくり罠は法律で様々な制限があります。今回タヌキが被害にあったこれは違法の物のようです。
誰が何の目的で仕掛けたのかはわかりませんが...。
ウジを除去し、患部を消毒。
ただ、だいぶ弱ってしまっています。点滴等を実施し、少し体力回復させてから傷を縫いました。
(最初は弱っていてミルクを入れても無反応でしたが、手を付けるように。)
その後も治療を続けることしばらく。
食欲も回復し、傷もだいぶ良くなりました。
暖かめの室内から徐々に温度を下げ、外のスペースに移動し、少しずつ野生の環境に戻していきます。
少し後遺症が残りましたが、我々が治せるのはこれが限界です。
生きて行く分には問題がない範囲なので、放野後、野生でたくましく過ごしてくれることを願います。
かみて