更新日:2021.12.22コウモリの保護
コウモリの保護
タヌキがたくさん保護される冬の時期。 ですが今回は、哺乳類で2番目に多く保護されるコウモリについてお話したいと思います
コウモリは空を飛ぶことのできる、唯一の哺乳類です。人でいう手の指の間に飛膜というものがあり、羽ばたくことによって空を飛ぶという移動手段を得ました。
哺乳類で最多は齧歯目、ネズミの仲間ですが、次いで多いのはなんと翼手目であるコウモリの仲間です。
金沢動物園で保護するコウモリの仲間は基本2種類、アブラコウモリとヒナコウモリです。
アブラコウモリはイエコウモリとも呼ばれ、家屋の中に住み着きます。人にとって最も身近なコウモリです。
飛膜をたたんでいると3cmほどの大きさで、幼獣かと思う方も多いと思います。しかし、手を広げると25㎝ほどの大きさになり、皆さんがイメージするコウモリの大きさくらいかなと思います。
夜行性のため、昼間は飛んでいる様子を見られる機会はめったにないですが、都心部にも生息しているので、暖かくなってきたら夜にはたくさんのアブラコウモリたちの飛んでいる姿を見ることができるかもしれません。
ヒナコウモリは、「ヒナ」という名前から体が小さいとイメージされる方が多いと思います。しかし、アブラコウモリの倍以上の大きさで、飛膜を広げた体長は40㎝以上もあります。目も耳もはっきり見えるくらいアブラコウモリとは大きさが異なります。
さらに体毛には白っぽいものが混ざっているため、霜降り模様のように見えます。
コウモリは、人にとって危険性の高い多くのウイルスの自然宿主だと言われており、恐怖心を抱いている方もいるかと思います。しかし、同じ生息域で生きている以上、野生のコウモリに遭遇する機会があるかもしれません。
弱っていて保護をしようと試みる場合は、写真のように皮手袋や軍手を着用して、首の後ろを持って捕獲し、小さな箱に空気穴をあけて蓋をして暗い状態にしてあげてください。口元に直接手を近づけると噛まれてしまうことがあるので、必ず自分の身も守りながら助けてあげてくださいね。
傷病鳥獣担当 うっちー
※弱った日本在来の野生動物(哺乳類、鳥類)の保護は、動物園から受け取りに行くことはできませんが、神奈川県内での保護を対象にお預かりしています。
※横浜市の3動物園では、2021年11月から当面の間、高原性鳥インフルエンザ予防のため鳥類の保護は中止しております。