更新日:2022.02.06アニマルペアレントの資金でパルマワラビーの展示場にゴムチップを敷きました
アニマルペアレントの資金でパルマワラビーの展示場にゴムチップを敷きました
2021年度に金沢動物園の「アニマルペアレント」にご寄付をいただいた資金の一部を、今回パルマワラビーに使用させていただきましたので、ご報告します。
パルマワラビーのパット(足裏)はオオカンガルーに比べて非常に繊細で、元々ウォンバットに適した造りになっている今の獣舎は硬い部分が多くありました。地面が固いことでパットが摩耗してしまい、本来黒いはずの部分が擦り減ってピンク色になってしまっていました。
こちら6月のグラのパットの様子です。
カンガルーの仲間は感染症に弱く、万が一パットから感染が広がると長期的な治療が必要になってしまいます。そこで、手始めに最も長く滞在する寝室の床面のクッション性を高めることにしました。マットと敷き藁を徐々に増やしていき、床が露出しないように厚めに敷いていきました。
多く滞在するところはマット+牧草でクッション性UP!
また、これまでサブパドックには、多く利用する部分だけにマットを敷いていましたが、
こちらの全面に7月に試験的にゴムチップを敷いてみました。
パットの状態と経過を確認するために定期的に記録していたところ、摩耗する機会が減ったせいか、8月上旬にはパットが黒く厚くなってきました!
良かったよかったと思っていたら、夏になると徐々に日中の行動場所が変化して、コンクリートのタタキ部分やスロープ部分で過ごす時間が増えました。
そうこうしているうちに、9月にはまたパットにピンクの部分が...
展示場にもゴムシートやマットを増やしていき、12月の中旬にはなんとかパットのピンクの部分は無くなり一安心。ところが展示場は緑のツギハギだらけのなんとも格好の悪い状態に...
そこで!園内の会議で協議した結果、アニマルペアレントにご寄付いただいた資金を利用して全面にゴムチップを敷くことになりました!
職人さんが丁寧に素敵に仕上げてくれました。
ツギハギがないので見た目も良く、隙間につまずいて転ぶ心配も無用、パットの状態も維持できます!本人たちの反応はというと、
スジコはすぐにゴムチップ上を通って出ていき、グラとサトはちょっと考えたものの、臆することなく通っていきました。
夕方にはゴムチップの上にはたくさんの足跡が。気にせず過ごしてくれたようです。
今後も様子を見ながら、環境を整えていきたいと思います。
今回このような機会を頂けたことを、大変光栄に思います。これからも動物たちにより良い環境が提供できるよう努めてまいりますので、今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
(しばた)
アニマルペアレント制度については、こちら→ 友の会・アニマルペアレント