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カンガルーブログ 父ポポタの写真

更新日:2024.03.01カンガルーブログ 父ポポタ

更新日:2024.03.01

カンガルーブログ 父ポポタ

カンガルー個体識別オス編、今回は予告通りカボスの父『ポポタ』です。

ポポタ (6).jpg

ポポタは現在5才、体重は先月の測定時は57㎏でした。まだまだ成長中なので、今後もさらに体が大きくなっていくでしょう。

ポポタの前髪はとても分かりやすい!

ポポタ (4).jpg

体色は特に顔がやや濃いめなので、黒っぽい顔と前髪で探してみると、すぐに見つかるでしょう!そんなポポタは私がカンガルー担当になった1年目に着地した個体なので、あの小さかったポポタが昨年父になったことはとても感慨深い出来事でした。

ちなみにオオカンガルーの場合、個体差や環境にもよりますがメスで約18ヵ月・オスで約48ヵ月で性成熟すると言われています。

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 ▲若かりし頃のポポタ ちなみにポポタの母はピンカです

そんなポポタと、カエデの間に生まれたのがカボスです。

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  ▲カボス

実は、複数の雌雄を群れで飼育していた頃は、オス親の特定ができませんでした。というのも、メスが複数のオスと交尾していたこともありますが、一部の有袋類は「着床遅延(ちゃくしょうちえん)」という繁殖戦略をもっていることも要因です。これは、メスが受精卵の発生(細胞分裂)を止めた状態で、着床せずに保持できるというものです。この時メス親は育児嚢内にすでに嚢児がいる状態であり、この嚢児が成長して育児嚢を卒業し哺乳量が減ると、発生が止まって休眠していた胚が着床し、次の嚢児へとなっていきます。

今日生まれたこどもが、先月受精したこども(=いま現在同居中のオスが親、カンガルーの妊娠期間は約36日)なのか、はたまた着床遅延で生まれたこども(=昨年まで同居していたオスが親)なのか、それぞれの血液を採取して調べない限りは分からないといった状況がうまれるのです。

しかし、今回はオス不在の期間が4年もあったので、おそらく休眠していた受精卵も生まれきっているでしょう。ということで、昨年生まれたこどもたちは、久しぶりにオス親が判明しているこどもになりました。

ポポタ (2).jpg

ポポタ (7).jpg

繁殖方法一つとっても、カンガルー含め有袋類は非常に興味深い動物だなと改めて実感しているこのごろです。

(しばた)