更新日:2024.06.12元気にお里に帰るまで①
更新日:2024.06.12
元気にお里に帰るまで①
動物病院担当です。今日は金沢動物園で一番保護件数の多い、タヌキについてご紹介します。こちらのタヌキは5月に保護されてきた個体です。毛がなくなって、皮膚がボロボロですよね。これは疥癬(かいせん)症という病気にかかっています。疥癬症はヒゼンダニが寄生することで発症し、脱毛と強い痒みが起こって、やがて衰弱してしまいます。この疥癬症のタヌキが傷病鳥獣として持ち込まれる動物では一番件数が多く、昨年は約50頭保護しました。入院してきた疥癬症のタヌキはまず獣医が駆虫薬(寄生虫を駆除する薬)を注射します。この注射によって、症状はだんだんと改善していきます。注射、よくがんばりました!このあとはしばらくあたたかい部屋で安静に過ごしてもらいます。 ほかの疾患もあれば、それも治療します。(獣医が目薬をさしています)だんだんとボロボロの皮膚がはがれ落ちて、ピンクの新しい皮膚にかわっていきます。痒みももうなくなったかな?保護から3週間後の様子です。新しい毛が生え始めているのが分かるでしょうか?顔つきも良くなってきましたね。 エサはドッグフード、鶏むね肉、鶏頭、さつまいも、バナナ、リンゴをバランスよく与えます。(おいしそうに食べている様子) 部屋の温度は毎日少しずつ下げて、外気温に慣れさせていきます。 そして症状が落ち着き、体力が回復すれば、ようやく外の広いケージへお引っ越しです。ここまでで、だいたい2週間~1か月ほどかかります。 (その②につづく) たなか