更新日:2024.11.21秋が来るとメイは。
秋が来るとメイは。
ずいぶん気温も下がり、担当者は「衣更えまだなんだけど?!」と思うくらいの気温となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。シカは衣更え無事完了しています(換毛が終わりました)。
ホンシュウジカ・タンチョウ担当です。
「秋」というと皆様何を想像するでしょうか。美味しいもの、運動会や発表会、行楽シーズン、紅葉狩り...。
シカのアズキやメイも、どんぐりをおやつ程度に食べたり、朝からたくさんの落ち葉を忙しそうに選んで頬張ったり。お楽しみが色々あるのが秋ですね。
さて、そんなシカですが、秋から冬にかけていつもと様子が違う日があります。
顕著なのがメイの方です。
あ、メイというのは、どちらかというと体が大きめで、顔は犬顔(シカなのに)、おでこがもっさりしているのが特徴の個体です。
閑話休題。
いつもより落ち着きがなく、メイの場合は展示場の一番下の段、フェンスの前をウロウロと歩き回ります。時には小走りになっていることもあるかもしれません。
普段のメイをご存じの方ですと「なにかあったのかな?」と心配になるかもしれません。
この落ち着きのない様子、発情が関係しているんです。
ここで、シカ類のメスの発情について少しご紹介をいたします。
9月~11月の交尾期間に、複数回発情が見られる「多発情型」の動物で、発情周期(発情と発情の間隔)は20日前後です。受胎しなければ期間中は発情を繰り返します。一回の発情の持続日数は1~2日ほど。(参考文献:コアカリ野生動物学/日本野生動物医学会 編)
メイの場合、年齢が関係しているのか、はたまた個体差なのか、周期は短めの2週間ということが多いです。発情がやってくると、ウロウロしてみたり、普段は担当者が近づくことや触ることを嫌がるのに、やたら近づいてきたり、体に触れても逃げなかったりと、かなり様子が違います。
一方アズキはというと、普段から担当者との距離が近く、また発情に伴う落ち着きのなさなどがわかりにくいため、発情に関連した行動の変化というのはなかなか確認できません。
シカの展示場をご覧になる際、シカが一頭ウロウロしていたら、それは発情の起こっているメイの可能性がありますので、普段と違う様子をそっと見守っていただけますと幸いです。
ちなみに。
フェンス前はメイが歩き回ることでめちゃくちゃ耕されます。
ここに畑でも作ろうかしら。
(何はともあれ元気に過ごしてくれたらそれでいい。谷。)