更新日:2017.06.27雛(ひな)と親の団結力
更新日:2017.06.27
雛(ひな)と親の団結力
色鮮やかな紫陽花が咲きこぼれる季節となりました。
動物病院も、とある色鮮やかなものでにぎわっています。
それは、野鳥の雛の「大きな口」です。
スズメの雛
ムクドリの雛
春先から夏にかけては、多くの野鳥が子育てをする季節です。
しかし、敵の多い野生で生き抜くことは、決して簡単なことではありません。
動物病院では、アクシデントにより親鳥と離れてしまった雛を保護し、親鳥に代わって育てています。
雛たちは「我先に!!」と言わんばかりに大きく口を開け、「エサちょーだい!」と、アピールをします。
オナガの雛
おやおや?
よーく見ると、黄色い口や赤い口、ふちは黄色で口内は赤色...種によって色合いが異なっています。
実はこの口の色には、親鳥の本能を刺激する、とても重要な役割があるのです。
雛が口を大きく開けて「色」を見せることで親鳥は刺激を与えられ、「エサを見つけて、この口の中に入れなくては!」という給餌(きゅうじ)行動が発現します。
例えばムクドリにとっては黄色、オナガにとっては赤色、それぞれの色が、子育ての成功へつながる鍵となっていたのです。
これらの鮮やかな色は、成長とともに薄くなっていきます。
いつまでも親鳥に餌をねだっていては、独り立ちができないためです。
はじめは口が真っ赤だったカワラヒワの雛も、体が立派になるにつれて赤みが薄らいできました。
親鳥は子孫を残すために、雛は成長するために、親子共々必死に毎日を過ごしています。
エサをくわえて飛んでいる親鳥や、雛のピーピー鳴く声に気づく度に、「どうか無事に生き延びてね!」と、声を掛けたくなる季節です。
おまけ⌒(ё)⌒
カワセミの巣立ち雛
イソヒヨドリ(♂)の巣立ち雛
きみたちはもう巣立っているのだから、そろそろ自分でエサを探しましょうね!
(傷病鳥獣担当 みの)