更新日:2017.10.24サラシナショウマ
サラシナショウマ
ついこの間まで夏日があったと思ったのに、こんどは秋雨前線の停滞で肌寒ーい日々!
季節が確実に移りつつあることを思い知らされるこの頃です。
金沢自然公園内で見られる花も急に種類が減って、今元気なのは短日性のノギクの仲間くらいです。
サラシナショウマ 群落の一部
暖かい季節の最後を飾るようにサラシナショウマが咲き始めました。
サラシナショウマは、日本・朝鮮・中国北部からシベリアにかけて分布するキンポウゲ科の大型多年草です。
山野の、やや湿り気味の落葉樹林下によく見られ、特に風通しのよい明るい日陰地を好みます。
「サラシナ」は、春の柔らかい若葉を水にさらしてアクを抜き、茹でておひたしとしたことに由来します。
また、肥大した根茎を乾燥したものは「升麻」と呼ばれ、解毒、解熱、止血などの効用があって生薬として欠かせません。
白い試験管ブラシみたいですね。
花は、茎の頂きに長いブラシのように白い小花を沢山つけます(総状花序)。
淡いピンクを帯びたつぼみを覆っている部分は、開花後の一時期花弁状に見えますが、実はがく片で、すぐに散ってしまいます。
つぼみは薄ピンクを帯びてきれいです。
本来の花は、付け根部分にちょうど漢字のかなえ状(両手でものを捧げる形)に突き出て先が2裂していますが、小さくてほとんど目立たず、やはりじきに脱落してしまいます。
咲き始め まだ雄しべが見えていません
そのため、私達はサラシナショウマの花を見る時、ブラシノキの花穂ほどではないにしても、はぼ雄しべのかたまりを見ていることになります。
薄暗い林内に浮かぶサラシナショウマの花穂はどことなく気品があって、近づくとあまい香りを放ちます。本当に優美です。
サラシナショウマの根は地中を這って横に伸びる性質があるので、容易に群落をつくります。
金沢自然公園ではバーベキュー場の近くに2か所確認されています。
少し粉っぽいけど甘い香りです
サラシナショウマと重なるようにツワブキ、サザンカが咲き始めるといよいよ紅葉のシーズン到来です。
空気が澄んで、日中は過ごしやすい季節です。ハイキングに、散策に、ぜひ金沢自然公園へお越しください。
(担当:マグノリア)