更新日:2018.01.09厳寒時の金沢自然公園
厳寒時の金沢自然公園
明けましておめでとうございます。
今年のお正月はいかがでしたか? お天気的には寒かったけど快晴の三が日でしたね。
本園から東京湾が見下ろせます。東京湾が房総半島と三浦半島に囲まれた大きな湖のように見えますが、冬場は特にはっきり、美しく見えます。
花が少ない時期なので、園内をぐるっと回って気が付いた植物を紹介します。
① ミツマタ(ジンチョウゲ科)〔ののはな館前〕
枝のほとんどが3出(さんしゅつ・三方向に伸びること)することからこの名前が付きました。茎に繊維が発達し、和紙、特に1万円札の原料となっているようです。写真はまだ蕾ですが2月初めには開花します。
② オニシバリ(ジンチョウゲ科)〔ののはな館前〕
ミツマタと同じジンチョウゲ科の植物です。名前の由来はミツマタと同じように樹皮の繊維が強靭でこの樹皮で鬼が縛れる→オニシバリとなりました。この辺の里山(クヌギ・コナラ林)の林床に普通に見られる植物ですが、最近里山の管理をしなくなったため林床が暗くなり、めっきり少なくなった植物です。
③ ヤマノイモの果実(ヤマイモ科)〔園内各所〕
通称ヤマイモの果実です。写真のように今頃林縁の潅木に冬枯れしてからみついています。ヤマイモ類のオニドコロ、カエデドコロにも3出した翼があり、この翼の間を唾液で濡らし鼻の頭に貼って天狗遊びをしたものです。
ちなみに、ヤマノイモには果実がついて、ムカゴという球芽が出ます。ナガイモやヤマイモを育てる時、支柱を低くするとムカゴが付きやすくなります。
④ センニンソウの果実 (キンポウゲ科)〔園内各所〕
初秋に咲くセンニンソウの名前の由来は、この果実に付く白い長い毛が仙人のヒゲにたとえたといわれています。
⑤ ツルウメモドキの果実 (ニシキギ科)〔ゾウ舎前〕
晩秋に樹上で蒴果(さくか)が割れて黄赤色の種皮に包まれた種子がでてきます。ゾウ舎とガウル舎の間の樹木に絡みつき見上げると青空にこの種子がきれいでした。
⑥ ヒイラギナンテン (メギ科)〔オセアニア区〕
オセアニア区にはこのヒイラギナンテンの他ジャノメエリカがさいていました。フサアカシア(ミモザ)の咲くのは2月終わりごろかな?
⑦ マンリョウの果実 (ヤブコウジ科)〔園内各所〕
縁起が良い植物としてお正月用の盆栽にします。果実は鳥に食べられ運ばれ、糞と共に出た種子が発芽するので、思わぬところから生えてくることがあります。
⑧ センダンの果実 (センダン科)〔クロサイ舎〕
「センダンは双葉より芳し」のセンダンは、ビャクダン科の植物。ここで紹介しているのはセンダン科のセンダンです。写真のような実の付き方から「千の団子」→センダンとなったとか?
金沢自然公園は、横浜で東京湾を一望できるオススメのスポットです。冬晴れの日に是非東京湾を見に来てください。
by花咲じじい