更新日:2018.07.17Ⅱの沢池のミズカンナ
Ⅱの沢池のミズカンナ
連日うだるような暑さが続いて、世間一般・人間様はグッタリしていますが、
逆にここぞとばかりに意気軒昂で夏ピッタリの植物があるので、今回はこれをご紹介します。
Ⅱの沢池全景
ミズカンナは北米大陸南部に分布するクズウコン科の大型宿根草で、日本へは昭和初期に水質改善と観賞用に導入されました。
これがミズカンナです
その名の通り、葉っぱがカンナに似ていること、水湿地を好むことが名前の由来です。
ミズカンナの葉、 花はカンナに似ていない
花は、チューリップやキクを見慣れたものにとっては、いったいどうなっているのか、
なんだかよくわからない不思議なかたちをしています。
花序は独特なジグザグ形で、下の方から咲いていきます。
紫色の花びらに見えるのは仮雄しべが変形したもので、その下に引き金付きの雄しべが隠されています。
ちょっと拡大したところ
体に花粉をくっつけたハナバチなどの訪花昆虫がこれに触れると、
押え込まれていた帯状の雌しべが螺旋状に解放され、
ちょうどネズミ捕り器のように虫に当たって花粉を浴びます。
脱出した昆虫はまた別のミズカンナを訪れて花粉を運ぶことになります。
この動作は実際に見てみないとわかりづらいでしょうが、
その時のキラキラ光る雌しべほどなまめかしいものはありません。まるで生き物のようです。
ホウセンカの実が炸裂するような速さです。
つまようじか松葉のような突起物で花をつついて、ぜひこの動作をたしかめてください。
花の後にはすぐに黒紫色の数珠玉のような実がつきます。
ジュズダマのような実
ミズカンナは繁殖力が強く、背たけも3メートルにもなるので、
ひとつの池でハスと共生させようと思ったら、適切に管理しなければなりませんね。
ハスが咲いていました。ここには時々カワセミもやってきます.
池のはたにミソハギも咲き始めていました
蛇足ながら、鱗片挿しで育てたヤマユリが初開花を迎えたというニュースをご報告しておきます。
ののはな館では、数年前に某フラワーセンターから「ベニスジ」の大球を2個譲り受けて大鉢に植えておいたところ、
カラスにほじくり返されてメチャメチャにされてしまうという事件がありました。
その時に残った残骸を駄目もとを承知で14枚鱗片挿しをしてみたのですが、翌春いくつか発芽して現在4本生き残っています。
苦節6年!
そのうちの2本が初めて7月初旬に開花しました。
通常、最短でも5年かかるのできわめて順当だったことがわかります。
鱗片挿しの「ベニスジ」
「ベニスジ」は普通のヤマユリのそばかす部分が赤くなった変種で、なんだか一層香りが強そうで妖艶に感じました。
来年はもっと増えてくれたらいいですね。
夏休みにはぜひ金沢自然公園にお越しください。お待ちしています。
(担当:マグノリア)