更新日:2019.10.27動物園のSDGs~持続可能な群れの維持のために~
更新日:2019.10.27
動物園のSDGs~持続可能な群れの維持のために~
金沢動物園のオオツノヒツジには、現在二つの群れがあります。以前は一つだった群れを昨年から2つに分けました。それはなぜか...。
目的の一つは繁殖制限です。繁殖制限と言われても???ですよね。金沢動物園のオオツノヒツジの繁殖は、これまで、群れで一番強いオスがすべてのメスをものにする、というもの。でも、それでは、スペースに限りのある動物園で、毎年メスの数だけ赤ちゃんが生まれる、というのも困るし、同じオスの子ばかりで血統が濃くなってしまう、というのも困るし。
ということで、「オス及びその年赤ちゃんを産んでほしいメス」の群れを岩山に、「今年は赤ちゃんを産んでほしくないメス」の群れを草原に分けました。
そろそろ秋の繁殖シーズンがやって来ます。来年初夏の赤ちゃん誕生を目指して、メスの引越しを行いました。
繁殖に向けて、草原から岩山へ引越したのはノゾミとチャグの2頭。ノゾミは、今年2才となり、初めての繁殖にチャレンジします。
引っ越し後、お見合い相手となるエビゾウと顔合わせ。エビゾウにとっても初めての繁殖になります。2頭の相性やいかに。
お見合い場所が一つしかないため、チャグは、ノゾミの後、11月頃に移動予定です。
チャグのお見合い相手はオスの最年長ヨッチャンです。このように、血統を確認し、そのメスに最適なオスと繁殖させ、持続的な群れの維持を目指しています。2組の結果、来年の赤ちゃん誕生までお楽しみにしてください。
オスの群れの中に、角の小さなメスたちを見かけたら、元気な赤ちゃんの誕生を祈ってください。まだ角の小さな1才のオスと間違えないように、じっくり探してみてくださいね。
1群から2群に移動した親子の話は、また次回。
飼育展示係 半澤 紗由里