更新日:2016.09.13チャメリーが金沢動物園へ移り住みます
更新日:2016.09.13
チャメリーが金沢動物園へ移り住みます
1999年の開園以来ズーラシアで過ごしてきたインドゾウのメス、チャメリーが9月20日に金沢動物園へ移り住むことになりました。金沢動物園のボンと新たなペアをつくり、繁殖を目指すためです。
現在、日本では39の動物園で89頭のアジアゾウが飼育されていますが、日本のゾウ飼育125年の歴史の中でアジアゾウの繁殖は16例で、生まれ育っているのは8頭のみです(2016年9月現在)。このままでは40~50年後には日本の動物園からゾウがいなくなってしまうと考えられています。ゾウの繁殖が難しい理由には雄の飼育頭数が少なく交尾のチャンスが限られていること、また交尾しても妊娠にまで至ることが少ないことが挙げられます。そのため国内の動物園では、積極的にゾウを移動させて新たなペアを作る試みが行われています。
金沢動物園には1985年4月27日にオスのボンとメスのヨーコが来園し、ズーラシアには1999年3月13日に3頭共に来園しました。これまで両園ともに繁殖行動は見られるものの、交尾には成功していません。2002年には上野動物園のメスが金沢動物園に一時移動しましたが妊娠にはいたりませんでした。
ゾウのメスは10代後半から出産適期となり、20代中旬までには初産を迎えることが推奨されています。ゾウの妊娠期間は約2年間と長く、今年25歳を迎えたチャメリーを移動させて新たなオスとペアをつくることがゾウの繁殖のために大切であると考えています。
7月に入り、移動にむけた練習を本格的に開始しました。ゾウ輸送用の箱に馴らし、安全に移動できるように毎日練習しています。
今回の移動により、横浜で初となるインドゾウの繁殖が成功するように温かく見守ってください。
(飼育展示係 古田)