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更新日:2016.09.20とある少年の言葉

更新日:2016.09.20

とある少年の言葉

ある日、とある少年がぱかぱか広場の馬を見てこんなことを言ってきました。

少年「お馬さんがケガしてるよ!!!!!!」

ぱかぱかブログ20160910とある少年の言葉.2.jpg

春太:(え?気づかないところでけがしたかな?)

ケガしているなんて大変だ!
急いでケガを見つけなくてはいけません!
春太くんを急いでチェックしますよ!

ぱかぱかブログ20160910とある少年の言葉.1.jpg

春太:(全身くまなくお願いします!)

よーく見てみたのですが、どこにもケガは見つかりませんでした。

一安心したところで、その少年に、問いかけてみました。

「ケガはしていないようだよ。どこかな?」

すると、少年は

「肢のところ、なんかポチっとなっているよ!ケガしているよ!」

その少年が、指をさしていたのがこれです。

ぱかぱかブログ20160910とある少年の言葉.3.jpg

馬の前肢の内側、蹄から40㎝ぐらい上にこんなものがあるんです。

実はこれは、ケガでもなんでもないんです!

疑問にはしっかりと答えねばと思い、その少年に

「これはね、夜目(よめ)って言われる部分で、お馬さんの親指のなごりじゃないかと考えられているところなんだよ。ケガをしているわけじゃないから心配しないで大丈夫だよ!」

するとその少年も

「なんだ、ケガじゃなくてよかった!」

と言いながら、笑顔でさっそうと走っていってしまいました。

せっかくのブログなので、もう少しだけ詳しくお話しましょう!
(あの少年もこのブログ見ていてくれたらうれしいな!)

長い年月をかけて進化という過程を経て、指や体の形を変化させてきた馬。今回は親指のなごりという紹介をしましたが、肉球のなごりという説もあるようです。はっきりとしたことはわからないのですが、長い進化の過程でできた何かのようです。人間と長い付き合いのある馬でも、まだまだわからないことがたくさんあるのです。

なんで夜目と呼ばれているのか?

実は、馬は暗いところでも目がよく見えます。このポチッとした部分があるおかげで、暗いところでもよく見えているのではないかと言われいて、その結果夜目と呼ばれるようになったみたいです。ちなみに、英語でもnight eyes なんて呼ばれたりしています。ところが、現在では暗い所で見える機能なんて全くないうえに、他の役割もほとんどないことがわかっています。

その他にも、附蝉(ふぜん)と呼ばれていたりもします。
蝉が木にとまっているように見えることから附蝉と呼ぶようになったそうです。

ぱかぱかブログ20160910とある少年の言葉.4.jpg

蝉のように見えますか???

※名前の由来には諸説あるようです

全く役に立たないもの?

なんの機能もないからと言って、全く役に立たないわけではありません。
この夜目は、一頭一頭で大きさや紋様が違うので、そっくりな馬を見分ける時に使われることがあるようです。

今回の少年の気づきと動物への思いやりにとても感心しました。
きっとあの少年は、その観察力と思いやりで一流の飼育員になるに違いないと勝手に思っています!

ぱかぱか広場 小林範史