更新日:2017.02.07タヌキ姉妹②
タヌキ姉妹②
あけましておめでとうございます!
と、言うにはすっかり遅くなってしまいましたが・・・
傷病鳥獣担当ヨシタツです。
2017年、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、12月から書いているタヌキ姉妹成長期の続きです。
前回のブログでもお伝えした通り、このタヌキたちは昨年保護された個体で、すでに野生に帰しています。
彼女たちの成長ぶりをみなさまに見てもらいたいと思い、ブログで紹介しています。
6月。ブロックの穴を使って遊ぶようになりました。
この写真、1頭に見えるかもしれませんが、実は2頭です。
上が一頭の顔、下はもう一頭のお尻ですね。
タヌキはネコのように柔軟な身体は持っていません。
「やっほー!」
かわいいですね。
躍動感もあり、元気な感じが伝わってきます。
と、ここまでタヌキ姉妹成長期を書いてきたのですが、
残念なことに、このあとの成長を記録した写真が少なくなっていることに気づきました。
私たちに興味がなくなったのね・・・(そういうわけじゃありません!)
あまり構いすぎると人に慣れたタヌキに育ってしまうので、構う頻度を徐々に減らしていったのです。
写真ではおとなしく持ち上げられていますが、野生に帰すころには人が近付いても素早く逃げ回るようになりました。
離乳した段階から外で自然と触れ合わせることで、虫を捕まえることを覚えたり、
2頭一緒に過ごすことで、過度に人間に慣れたりすることなく、
タヌキらしく成長できたのではないかと思います。
しかし、彼女たちにはもともと親がいたはずです。
ですが保護時には、近くには親がいなかったと聞きました。
何かしらの理由で怪我を負ったり、死んでしまっていて、子どものもとに帰ることができなかったのかもしれません。
また、野生動物が野生で生きていく術を私たち人間が、完璧に教えることは不可能です。
野生に帰した後も元気に生きていてほしいという願いはありますが、"人の手にかかった野生動物"であるという点で、彼女たちは生きていくのに少し不利かもしれません。
これは今回のタヌキ姉妹だけではなく、野生傷病鳥獣保護で扱うすべての野生動物に言えることだと思います。保護されてから、野生に帰すまでの間でどのように動物と関わるべきか、改めて考えるきっかけになりました。
数回にわたるタヌキ姉妹成長期、最後までご覧いただきありがとうございました。今後も傷病鳥獣ネタでブログを発信していこうと思いますので、よろしく願いします!
飼育展示係 義達