更新日:2017.12.20キララありがとう
キララありがとう
みなさんこんにちは。
とても悲しいお知らせですが、今月12日の朝、アカカンガルーの「キララ」(10歳)が死亡しました。
秋ごろから体調が悪くなり、検査や投薬などを続けていましたが、残念ながら死亡してしまいました。
今から9年程前、須坂市動物園で有名だったアカカンガルーのオス「ハッチ」をご存知でしょうか?
当時はよくテレビにも取り上げられ、人気者でしたよね。
その娘が「キララ」です。
当時私はまだ学生でしたが、「ハッチ」をテレビで見るのがとても好きで、カンガルーを好きになるきっかけでもありました。そしてよこはま動物園ズーラシアに就職し、1年目に担当したのがアカカンガルー。
当時は全部で47頭のアカカンガルーがいましたが、その中に2007年に須坂市動物園からズーラシアにやってきた「キララ」がいたのです。
学生のころ好きだった「ハッチ」の娘「キララ」を担当できることがとても嬉しかったのを覚えています。
「キララ」の特徴は、大きなギザギザの耳と人懐っこい性格。
いつもおやつをあげると私の手を両前肢で掴んで食べる、とても愛嬌のあるカンガルーでした。
「キララ」とはこんな思い出があります。
当時の私はまだ新人でしたので、仕事のことで悩み落ち込むこともありました。
そんなある日、私は悩み事をしながらカンガルーのいる展示場へ、エミューの餌を持ち入りました。
するといきなり背中をドンっと押されたのです。びっくりして振り返るとそこには2本肢で立ち上がる「キララ」が。
おやつが欲しくて私の後ろについて来たのですが、なかなか気が付かない私にしびれを切らし、両前肢で私の背中を押してきたのです。その後も何度も押してくるのでなんだかおかしくなり、悩みも吹っ飛んでしまいました。
2年目からは担当が変わりましたが、今年5年ぶりに担当ではなく代番(副担当)としてアカカンガルーに入ることになりました。
5年ぶりの「キララ」。当たり前ですが、見た目は歳をとったなという印象でしたが、性格は変わっておらずとても嬉しかったです。
そして今月12日、「キララ」の最期を見届けることとなりました。
「キララ」は5頭の子どもを育てたとても立派なお母さんでもありました。
現在ズーラシアには娘の「シオ」
息子の「ミミタ」
孫の「イコイ」が元気に暮らしています。
「ミミタ」は私の担当時にはまだ「キララ」のお腹の袋の中にいて、私の中ではその頃の記憶で時が止まっていました。
そのため5年ぶりに再会した「ミミタ」は立派なオスのカンガルーに成長していて、なんだか不思議な感覚でした(笑)
キララと袋から出入りするようになったミミタ
長々と文章を書いてしまいましたが、
「キララ」を担当できたこと、そして最期を見届けられたこと。
新人の私に色々なことを教えてくれたり、元気をくれたこと。
キララ、本当にありがとう。
天国でお父さん、お母さんに会ってゆっくり休んでね。
キノボリカンガルー時々アカカンガルー担当 坂上