更新日:2018.05.20キノボリカンガルーって何?
キノボリカンガルーって何?
みなさんこんにちは。
タイトルを見て今さら?と思われる方もいると思います。
しかし!お客様をこっそり見ていると、まず動物名は見ずに「なにこれ?クマ?」「なんか可愛い」と言われ「鈴カステラみたい」「プリンみたい」「焦げパンみたい」。。。。食べ物になってしまいます。
確かに顔はクマみたいかも。
(写真はモアラです)
そのあとに動物名を見て「え、これカンガルーなの?」「カンガルーの子どもかぁ」と大抵言われます。
そこで今回は少しキノボリカンガルーについての基礎知識をご紹介します。
まずキノボリカンガルーは名前の通り、木に登って木の上で暮らすカンガルーです。
カンガルーの祖先は元々木の上で生活をしていました。しかしオーストラリア大陸で草原や砂漠が増え、カンガルーは地上に降りて食べ物を求めて動きまわらなくてはならず、体が大きくなりました。その後、東南アジアにオーストラリア大陸が近づいて新しい森が生まれ、再び木に登って暮らすようになったのがキノボリカンガルーだと考えられています。
キノボリカンガルーは全部で14亜種に分かれていて、そのうちの12亜種がパプアニューギニア、2亜種がオーストラリアに生息しています。ここズーラシアで飼育しているセスジキノボリカンガルーはパプアニューギニアの熱帯雨林に生息しています。
主食は木の葉や花、果物などです。
そのためキノボリカンガルーの部屋はこんな感じで木の葉をつけています。
種名の由来は背中に白い筋が2本あるので、セスジ・キノボリカンガルー。
個体によって背中と尾の模様は違い、後ろ姿だけでタニかモアラかわかります。(上の写真はタニ、下はモアラ)
後ろから見るととても尾が長いですよね?これは木の上でバランスを取るためにとても重要な役割をしています。ですので木の上でも立つことが出来ます。
また警戒しているときはこの長い尾を左右に振ります。
そして同じカンガルーの仲間なのに隣の展示場にいるアカカンガルーとは大きさも体の形も違います。
これは棲んでいる場所に関係しています。アカカンガルーは広い草原を移動しながら生活をしているので、移動手段であるジャンプをするために適した体のつくりになっています。
第3の足とも言われる尾は筋肉質でとても丈夫。ジャンプの際にバランスを取ったり、少ないエネルギーでジャンプできるようになっていると言われています。
(アカカンガルーの尾)
(アカカンガルーの前足)
それに比べキノボリカンガルーの足は木を登るために前足が力強く発達しています。
木に引っ掛けるための爪も長く、とりあえず握る力がとても強いです。
私でさえオスのモアラに掴まれてしまうと、なかなか引き離すのに苦労します。
(タニの前足)
また物を掴むのもとても上手で、細い木の枝をあげると上手にもって食べます。
そして後ろ足は体の割には小さく短いです。
キノボリカンガルーは木の上で生活をしますが地面に降りる時間もあります。
その際にはジャンプで移動するので、その姿をみてやっぱりカンガルーなんだ!と納得されるお客様が多いです。
そしてやはりカンガルーなので、メスの腹部には子どもを育てるための袋がちゃんとついています。
(タニの腹部)
オスにはありません。
(モアラの腹部。というか全身ですが。)
同じカンガルーの仲間でも棲む場所によってこんなに体のつくりが違うなんて面白いですよね!!
本当はもっとキノボリカンガルーについてご紹介したいところですが、今回はこの辺にします。
どうでしょう?キノボリカンガルーに興味がわきましたか?
キノボリカンガルーは国内ではここズーラシアにしかいません。
ということは同じカンガルーでも平地に暮らすカンガルーと木の上で暮らすカンガルーの両方を見ることができるチャンス!!とってもお得!笑
キノボリカンガルーのモアラとタニ、そしてたくさんのアカカンガルーがお待ちしていますので、ぜひお越しください。
(新芽を美味しそうに食べるタニ)
(こちらをじっと見つめるモアラ★決して今テレビでよくみるひょっこり(某芸人さんのネタ)をマネしているわけではありません!!)
セスジキノボリカンガルー担当 坂上