更新日:2018.11.15ファントムの移動当日+α
ファントムの移動当日+α
前回ご案内した通り、今回は移動当日の様子を中心にご紹介しましょう('◇')ゞ
朝一の、パントム達です。この数十分後には、お別れになることを知ってか、知らずか?
いつもの様にウロウロとしていました・・・(*_*)
パンプと分けられた後、ファントムは輸送箱が取り付けられている寝室に移動です。
左側に輸送箱が設置されています。
これまでの訓練のおかげか、既に箱前で扉が開くのを待っているかのようなファントム。
引き戸を開けて、ファントムが箱内に入ったらお別れです・・・
いつもの様に引き戸を開けると、いつもの様に箱内に吸収されるように入っていくファントム。。。
全身が入ったのを確認して、扉を閉めました。この間、数十秒たらず・・・
初めての経験に、箱内で少しバタつきましたが、じきに収まりました。箱内では、直ぐに方向転換をしたようで、尾が矢印の所に確認できます。
この後、箱の落とし扉を閉め、施錠したら完了です。
固定していた道具を外します。
ハンドリフトを準備し、獣舎の外に移動します('ω')ノ
獣舎の外に移動できたら、後は輸送業者さんがユニックを用いて、ファントムが入っている輸送箱をトラックの荷台に持ち上げます。
しっかりと固定されていきます。 ふと輸送箱内を見ると、ファントムがこちらを見ていました・・・((+_+))
つい話しかけてしまいました。「元気でね」と。。。。
移動当日の天気予報では、雨に向かって走ることになるため、雨除けのシートも掛けました。
多くの方々に書いていただいたメッセージと、頂いたお餞別も輸送業者さんにお願いして、運んでもらうことに!
これらは、助手席に積んでもらいました('◇')ゞ
そして作業開始から1時間ちょっと。予定通り、9:30前には生まれ育ったズーラシアを旅立ち、一路西に向かったのでした・・・
途中のサービスエリアでの様子。落ち着いているようですね、ファントム!!
そして、神戸からフェリーに乗って、宮崎に移動しました。
これまでで、最も遠くへ旅立ったファントム。
一日も早く、新しい施設、新しい担当者に慣れ、元気に、そして暫くはのんびりと過ごしてもらいたいものです。
残されたパンプは、いつもの様に餌の時には飛び込んできて、採餌をしていましたが・・・
朝からよく鳴くようになっていました。
それは仕方がないことで、今までず~~っと一緒だったファントムが居なくなり、急に1頭になったのですから・・・(*_*)
この日の朝、サブ運動場のプール(パントム達のトイレ)は、2頭分の排便がされていました。
しかし、この様なプールも見納めです・・・
次の朝は、当然1頭分だけになりましたからね・・・
そして日にちが進み、8日に初めてパンプ1頭で展示場に出しました。
いつも通り駆け出て行ったのですが、続いて出て来ていたファントムは出てきません。
居ないんですから・・・・・・・
でもパンプは、ファントムを待つかのように、獣舎寄りで過ごすことが多かったのです。
ファントムの形跡を探すかのように、地面の匂いを嗅いで歩き回る様子も見られました・・・((+_+))
ちょっと寂し気なパンプ。
獣舎寄りの、電柵シャッター前でも1頭です・・・
ダマイが出園して、残されたミンピはもっと寂しそうに鳴き続けていて、その時は声が枯れるほどでした。
パンプも、私が想像していたより寂しそうです。ミンピの時のように、悲壮感溢れる鳴き方ではありませんが、これまで殆ど鳴かなかったパンプですが、頻繁に鳴くようになっています。
国内のスマトラトラは、僅か16頭しか飼育されていません。
パントム達のお姉さんも他園に移動して、ズーラシアの飼育スペースが空いたので彼らが生まれてきたのです。
飼育する動物園も限られていて、新規に飼ってくれる動物園を探しています。そんな中、宮崎市フェニックス自然動物園さんが手を挙げてくれたため、今回の移動が実現できたのです('◇')ゞ
移動したファントムも含め、時間が解決する場合が殆どですので、気を散らすように遊具を与えたりして、私は残されたパンプをフォローしたいと思います('ω')ノ
飼育展示係
石和田 研二