更新日:2019.01.05クロサイ同居しました!(とりあえず第一回)
クロサイ同居しました!(とりあえず第一回)
ヒガシクロサイのメス、アキリが入園して早3年半。
この間、屋外展示場に出る練習を重ねてきましたが、難航しております。
しかし、練習を重ねているうちにある事に気づきました。
普段は警戒して平面交差(バックヤードと展示場をつなぐ折り畳み式の渡り廊下)になかなか入らないアキリが、オスのニルが展示場に出ているとすんなり入るのです。
「もしかするとニルを展示場に入れた状態で展示場の扉を開いたら、アキリがスムーズに展示場に入るのではないか?」と思いました。
動物のオスとメスを同居させる場合、力関係の弱い方の個体を同居場所に慣らしてから、弱い方を先に同居場所に入れておいて、強い方の個体を後から入れるのがセオリーですが、アキリがいっこうに展示場に慣れず、しかも繁殖適齢期になった今、もうセオリーにこだわってはいられません。
2頭の柵越しの相性を見ても、一気に同居でイケるように思えます。
ちょっと冒険になりますが、アキリとニルを12月18日の休園日に同居させてみることにしました。
サバンナテラス前にいたニル(写真右)が、展示場入口付近までアキリ(同左)を見に来ました。
「ガッ!!」さっそくツノ突き開始。
体重1.5トン(推定)同士の激突ですが、サイの世界では日常茶飯事。
ドキドキしながら見守る担当飼育員と獣医師。
中央の大きな擬木で隠れていますが、万一の時に2頭を分けるためにドイツ製の高圧洗浄器が待機しています。
ニルはたいへん紳士的なオスで、積極的に突くアキリに対して「受け太刀」の姿勢で臨んでいました(数回、反撃してはいましたが)。
ニル(左)は「お嬢さん、そんなとんがらないで仲良くしましょうよ~」となだめているのでしょうか?
目付きにニル(左)の余裕とアキリ(右)の緊張が表れているようです。
激しい肉弾戦ののち、1時間で第一回の同居試験を終了しました。
鼻や右前肢に出血痕がありますが、この程度の傷はクロサイにとっては無傷同然なのでご心配なく(^_^)v
なお、翌日以降にアキリ単独で展示場に出る練習もしてみましたが、同居前に比べてスムーズに展示場に出てくれるようになったと感じます。展示場への警戒心が吹っ切れたのかな...
そうだと良いのですが。引き続き練習を重ねてゆきますので、これからもアキリを応援して下さいね!
(苦労?サイ担当 板橋正憲)