更新日:2020.07.27カンムリセイランひなっこ成長記 ♯1
カンムリセイランひなっこ成長記 ♯1
みなさま、こんにちは。
先日お伝えした通り、待望のカンムリセイランのヒナが2羽孵化しました。(ヒナ誕生のブログ)
すくすくと順調に育っていたヒナたちですが、羽が伸び、体重が増えてきたタイミングで1羽がふらつくようになり、急速に歩けなくなってしまいました。
母親は自分について来られなくなったヒナのところへ展示場で捕まえた虫を運んで食べさせるなど、しっかりと育雛(いくすう)をしていましたが、残念ながら7月11日に死亡しました。
順調に育っているように見えていたため、急変に驚き、もっと小さい時期に前兆がなかったのか・・・と気づけなかったことが悔やまれます。
もう1羽のヒナはその後も順調に成長しています。よく観察し、無事に育ってくれるよう見守りたいと思います。
今は1羽になってしまいましたが、孵化した日から担当者が出勤している日は毎日写真を撮って様子を観察し記録しています。かわいい瞬間やいろいろな出来事をヒナ2羽と母親の過ごした時間も成長記としてご紹介していきたいと思います。
2020年6月15日の朝、展示場に様子を見に行くと扉の前の地面に母親が座っていました。
母親が立ち上がると、そこには2羽の小さな小さなヒナの姿が!
鳥のヒナは大きく2種類に分けられます。ひとつはツバメのように孵化したときは目も開いておらず、巣にとどまって親から餌をもらう種(晩成性:ばんせいせい)、もうひとつは孵化したときから目が開いていて、巣から離れ、自力で採餌できる種(早成性:そうせいせい)です。
カンムリセイランはキジの仲間で後者(早成性)です。
孵化した時には目が開いていて、孵化後1日ほどで巣台から母親とともに地面に降り、歩き回ります。
餌を置くと周囲を確認しながら母親がやってきて「クックックック」と小さくなきながらヒナたちを呼びます。
ヒナは自力で餌を食べることもできると思いますが、母親のくちばしについている餌をもらっているようでした。
巣台から降りてきた翌日。
母親について一生懸命歩き回るヒナたち。足取りはとてもしっかりとしていて時々ジャンプしながら歩くほど元気です!
しかし、まだ羽は短く飛ぶことはできません。
母親についてうろうろしているうちにヒナは展示場内にある岩の上に乗りました。
1羽はすぐに降りたのですが、もう1羽が急に怖くなってしまったのか降りられなくなってしまいました。
ひなっこピーーーンチ!!
悲しげなそして不安そうな声で母親を呼びます。
「ピヨピヨピヨ・・・」
1羽しかついてきていないことに気づいた母親は岩のところまで引き返し、ヒナを呼びますがヒナは降りられません。
ここから母親は右往左往して岩の上のヒナが降りられそうな位置を探しているようでした。
岩の少し緩やかな下りになっている方へヒナを誘導しています。
ヒナも勇気を出して動き、最後はジャーンプ!
母親のもとへと無事に帰れました。
降りてきたのを確認した母親はヒナたちに水を与えていました。
(この一連の流れはSNSに動画でアップしていますので、こちらをご覧ください。→Twitter、Facebook)
母親はとてもしっかりしていて、担当者は見ていて安心できます。
時々ハプニングもありますが、いろいろなことを経験してすくすく育ってほしいと願うばかりです。
※現在オスは非展示となっています。
【飼育展示係 くわばら】