更新日:2020.03.27展示馴致(休園日)の様子④
展示馴致(休園日)の様子④
みなさま、こんにちは!
今回はキリンの子ども「エミリー」の展示馴致の続きです。前回めちゃくちゃ端折ってようやく最近の出来事にまで追いつきました。
無事にシマウマのソウシ(オス)、エランドのシューズ(メス)とカルーア(メス)との同居が上手くいき、3種混合展示が可能となりました。
次はチーターのサハラ(メス)との同居です。
ズーラシアではキリン・グラントシマウマ・エランド・チーターの4種混合展示を行っています。
チーターは基本的には自分の体より大きな獲物は襲わないという習性があるので、このような混合展示が可能となっていますが、やはりチーターも走ったりするものや反応が面白いものは、追いかけたくなるようで時折シマウマたちを追いかけることがあります。(最終的には体の大きな草食動物に追われるのですが...)
エミリーは誕生時すでに170㎝ほどあり、チーターより体は大きいですが、初めて見るチーターがどのような動きをするかを知りません。
急に知らない動物が現れたり、予測していなかった行動が現れた時にビックリして走り回って転倒したり、壁に激突する可能性も考えられます。
一方、チーターもキリンの子どもを見るのは初めてです。(柵越しには見ていましたが)
追いかけるのか、何もしないのか...一体どんな反応をするのか、私たちも実際にやってみないとわかりません。
そこでチーターとの同居はエミリーが充分に大きく育ってから実施することとなり、しばらくはチーターを除いたキリンの親子を含む草食3種混合展示を奇数日に、チーターを含む4種混合展示を偶数日に行い、その日はキリンの親子はお休みすることにして交互に展示を行ってきました。
そして1月下旬の休園日に初めてチーターとキリンの親子の同居を実施しました。
サバンナエリアを担当している職員総出で行います。
チーターはエミリーの存在に気づきじっと見つめています。
一方、エミリーは普段見かけない職員がたくさんいるのが気になり過ぎて、チーターの存在に気づいていない!?
人の方ばかり様子を見に来て、チーターの方を見向きもしません。【左:人に寄って行くばかりのエミリー、右奥:父親のハクナの足元にチーターのサハラ】
そこでチーターを目立つ場所に誘導し、エミリーにはいつもとは違う動物がいるよと認識させます。
しかし、エミリーはちらっと見るけどもやはり人の方へ・・・
今までシマウマやエランドのような体の大きな動物を見ているから余裕なのでしょうか...???
チーターはじっと見ているものの、襲うような体勢は見せず、なんかいつもよりちっちゃいキリンがいる・・・というような感じで観察しているようです。
そこでチーター誘導のために用意したエサ容器に、やたらと興味を示していたのでその容器を使ってエミリーをチーターの方へ誘導し、存在を認識させようとしました。
【左:容器に興味津々なエミリー、右奥:警戒するサハラ】
すると、子どもとはいっても、もう270㎝ほどありますから、やはりチーターは近寄ってくるエミリーを見て逃げていきました。その後もエミリーはチーターに興味を示さなかったので、1回目の同居は終了。【ハクナも容器に興味津々】
何事もなくて良かった・・・
でも、実はチーターが馴致の最後ではないのです。
心配し過ぎて胃が痛むような日々は、まだまだ続きます。
次回に続く...
飼育展示係 宮本