更新日:2020.05.02体重は??(準備編)
体重は??(準備編)
みなさま、こんにちは。
例年なら待ちに待ったゴールデンウィーク。動物園も大いに賑わうこの時期ですが、今年は残念ながら休園中。みなさまも遊びに行きたい気持ちをぐっとこらえておうち時間をお過ごしのことと思います。
おうちで過ごし、あまり運動する機会がないと気になってくるのが・・・体重・・・
私たちは日ごろから自分の体重を気にして、太ってきたら運動や食事制限でダイエット!!などと考えていますよね。
ですが、動物園で暮らす動物たちは決められた環境、決められたエサで飼育されているので、動物自身で体重をコントロールすることはできません。そこで、体重の変化をみて、エサの量や質を考えていくのは飼育員の大事な仕事のひとつです。
私の担当の鳥たちも体重を量れたらもう少し餌の見直しなどができるのになぁ...と思っていました。
カンムリシロムクやオオミカドバトは広い展示場の樹上で過ごし、飼育員には近寄ってこないため体重測定は非常に困難です。
それに比べ、カンムリセイランは休む時や寝る時は止まり木の上ですが、エサを食べる時には地面に降り、人との距離も個体によってはかなり近づくことができます。
過去の記録を見ると今までは年1回、鳥インフルエンザ予防として鳥を別の獣舎に移す時に、捕獲して体重を量っていたようですが、獣舎の設備が新しくなって鳥インフルエンザが流行する時期でも鳥たちを移動せずに飼育できるようになりました。
年1回では変化が分からないし、捕獲するのは鳥にとてもストレスがかかります。
もっと簡単にカンムリセイランたちのストレスにもならず、頻繁に体重測定ができないか考え、こんなものを作ってみました!
じゃ~~~ん!
木の板に止まり木をくっつけてみました。どうやって使うかというと・・・
裏にねじを付けたので、セイラン舎にもともとあった秤の穴にねじを通してくっつけることができます!
ここに乗ってくれれば体重がはかれるというわけですね!
いきなりこの高さは無理だと思うので、まずはこの止まり木付き板に慣れてもらうこと(馴致)から始めました。
まず挑戦したのはズーラシアにいるカンムリセイランの中で一番若く、人工育雛(人が母鳥代わりになって育てる)で育っており、エサを置く時には待ちきれなくて目の前まで来てくれる個体です。馴致はこの個体で始めるのが良いと考えました。
地面に板を置いて、乗ってくれるかな?
最初は板を警戒しているようでしたが、食欲が勝ったのか警戒心はすぐに解かれました。
乗った!!!!!
止まり木にはつかまってないけど、板には乗りました!
何回も繰り返し、板にすんなり乗るようになったら次のステップです!
・・・つづく・・・
【飼育展示係 くわばら】