更新日:2020.07.12ラーとホア
ラーとホア
5月25日にメスのホアを出産したアカアシドゥクラングールのワニ。
アカアシドゥクラングールの妊娠期間は約200日前後で、出産前の母親のワニのお腹は
出産2ヶ月前。
よーく見ると腹部の横幅が広くなっていますが、一般の方にはわからない程度でしょうか。
出産1ヶ月半前。
この頃になるとお腹もだいぶ大きくなり、座る際も足は開いていることが多くなります。
出産20日前。
明らかにお腹はパンパンですね!この頃はお腹が大きいので、しんどそうに動きもゆっくりでした。
さて、そんなホアたちの群れですが。
実は父親のラーと生まれた赤ちゃんが同じ群れにいる状態で展示するのは、今回が初めてです。
ラーとワニのペアはアーニとマニを妊娠した際には、事故防止の観点から、念のため出産前にラーとワニを分け、ワニのみで出産・子育てをしました。
そのため、展示もワニと子どもたちだけで、そこにラーが一緒にいることはなかったんです。
ではなぜ今回は一緒の状態にしての出産となったかと言いますと、1つはラーが高齢となったことがあります。
アカアシドゥクラングールの飼育下での平均寿命は約25年と言われており、ラーは今年で25歳になります。
彼らは群れで暮らす動物ですので、単独で飼育するより他の個体と一緒に暮らしていた方が精神的にも良く(ましてやラーはワニが大好きなので)、できれば群れのまま飼育していきたいと考えていました。
またワニがアーニ、マニの子育てをしてきて、しっかりと育児の経験を積んだのも理由の1つになります。
ワニにも子育てに対する余裕ができているので、ラーが一緒でも動じることはないだろうと判断しました。
・・・それにしても、ホアはすごい格好で毛づくろいされていますね(^_^;)
そして今回、ラーと同居したまま出産へと踏み切った1番の要因は、メスのサオの存在です。
サオはコイとツバオのペアの間に生まれ、家族と一緒に暮らしていました。
昨年、自分の群れから出てワニと同居するようになり、その後ラーも加わりました。
ラーはサオのことをしっかりメスとして認識し、サオもラーのことを受け入れています。
そんなサオという存在が、このペアの間でクッションの役割をしてくれるだろうと期待することができたのが1番の理由になりました。
そして今回、実はワニにとっても初めてのことがありました。
ワニは今まで、アーニ、マニの子育ては全て自分ひとりで行ってきました。
しかし今回は子育てを手伝ってもらえるサオという存在が!!
サオは妹のプクの子育てを同じ群れの中で経験してきましたので、ホアが生まれた際も興味津々!
抱っこしたくてしょうがない様子でしたが、最初の頃はさすがにワニの顔色をうかがいながらチャンスを狙っていました(笑)
今ではワニもこんな感じでリラックスして過ごしています。
やはり一緒に赤ちゃんの面倒を見てくれる個体がいるのは、体力的にも楽なようです。
ラーはホアに対して興味津々!・・・という訳ではありませんが(まぁ、だいたいのオスはそうですので。)
嫌がる様子もなく、すんなりとその存在を受け入れていました。
みんなでくっついて休んでいる姿も頻繁に見られますよ(^▽^)
今回の出産は担当者にとっても実はドキドキした日々だった訳ですが、そんなこちらの心配をよそに、ラーたちは何事もなかったかのように過ごしており、今では安心して見ていられるようになりました。
群れのみんなに見守られながら、大きくなってね、ホア♪
【飼育展示係 久保田】