更新日:2020.12.03虫、はじめました
虫、はじめました
Jambo~~o(^・x・^)o
今回は、普段バックヤードで過ごしているミーアキャットについてお話しします。
中でも今日は群れのリーダーである、母親ミチルについてです。
ミチルは2015年3月に、南アフリカからズーラシアへやって来た個体です。2012年6月21日生まれの8歳です!
ミーアキャットで8歳というとかなりの高齢。(ミーアキャットの寿命は約10~15年です)
元々好き嫌いの多い個体ではありますが、最近は1日の採食量が減ってきていて、担当者としてはかなり気がかりです。
右奥にいるのがミチル。
このように、他個体が採食している横でぼーっとしていることが多く見られます。
どうしたものか...と試行錯誤の繰り返しの毎日。
部屋の模様替えをしたり、おもちゃを入れたり、給餌の仕方を変えてみたり、色々なことを試しましたがあまり効果は見られませんでした。
いろいろと考えながら部屋の掃除をしていたその時!皆様があまり好きではない?ゴキブリ(以下G)が私の足元を横切りました。
そして!!ミチルがGを捕まえて食べました!
( ゚Д゚)!?!?
と思った方。ビックリさせてしまい、ごめんなさい。
ミーアキャットにとってGはごちそうです♪
野生では、サソリやシロアリなどの昆虫を主食としているミーアキャット。
" シロアリ "と聞くと、私たちの身近にいる" クロアリ "と同じイメージをする方が多いかもしれません。が、シロアリとクロアリは違うグループに分類される生き物です。
シロアリは、昆虫網ゴキブリ目シロアリ科。
クロアリは、昆虫網ハチ目アリ科。
大きく分けると、シロアリはゴキブリの仲間で、クロアリはハチの仲間なのです!
(どうりでミーアキャットはゴキブリは食べるのに、クロアリを食べないわけだ・・)
このような行動から...
ミチルに生きている昆虫を給餌すれば元気を取り戻すのでは?と担当者は考えました。
しかし今は寒い時期です。ズーラシアにはたくさんの昆虫が草むらに生息していますが、今の時期はさすがに十分な数を採集できません。。
そこで、デュビア(別名:アルゼンチンモリゴキブリ)という中南米産のゴキブリの仲間をあげてみました。(※苦手な方もいらっしゃると思うのでデュビアの写真は控えます。どんな虫だろう?と興味を持たれた方は、自己責任で検索してみてくださいね。)
デュビアをちらつかせるとこの期待の表情...!
パクリ...!すごくおいしそうに食べてくれました!!
毎日少しずつ続けると...
立ち上がることが少なかったミチル(右)が、元気よく立ち上がるように...!
(ちなみに左はオスのレイ。気性が荒く、担当者に向かってかみつきにきますが、ミチルに対してはとてもジェントルマンです。)
以前まではこのように後退気味だったミチルが元気を取り戻しました。
生餌の虫を給餌してみて、やっぱり展示場だけではなく、餌もなるべく野生に近い状況の方が動物の健康を保つことができると、改めて感じました!
これからも、ミチルを始め老齢個体のケアをしつつ、ミーアキャットたちが幸せに過ごせるようにしていきます!
ミーアキャット展示場ですが、これから気温が下がってくると、ミーアキャットは少し早めの時間に屋外展示場から屋内の小屋に移動します。ご了承くださいませ。ガラス越しにご覧いただけるようになっております。
飼育展示係 鈴木(由)