よこはま動物園ズーラシア公式サイト

twitter facebook youtube instagram
アキリ、一歩前進(^^;)の写真

更新日:2020.12.16アキリ、一歩前進(^^;)

更新日:2020.12.16

アキリ、一歩前進(^^;)

 今年5月以来、平面交差(ヒガシクロサイが獣舎から屋外展示場に移動するために園路と共用で使用している通路)に入らなくなってしまったアキリ(メス)ですが、再訓練中の11月2日に、たまたま平面交差に入ったのでそのまま展示場に出して展示しました。

2020.11 単独屋外展示①.jpg

しかし、夕方になって獣舎に収容しようとしても、展示場から平面交差に入ることができず、やがて冷たい雨が降り出し、日が暮れてしまいました。夏の雨であればそのままにしておくという選択肢もあるのですが、雨が冷たいのでそうもいきません。いったんニル(オス)を同居させてニルに押し出してもらおうとしましたが、逆に興奮したアキリに押し返されて失敗。

雨の中、呼んだり、すかしたりして90分後にやっと収容することができました。

と、ここまでは良かったのですが、翌日からまた平面交差に全く入らなくなってしまい、再訓練は大きく後退⤵⤵⤵⤵⤵

 

このままでは繁殖はおろか、展示もできないので訓練方法を大きく変更して、餌の量を「午前中はたくさん・夕方はグッと少なく」にしました。こうすることで翌朝の訓練に空腹でいどむことができます。

そして平面交差の中で好物の黒糖、バナナ、リンゴ、ミカンそれから木の葉を食べさせるのです。今までの訓練でも平面交差に入った際には黒糖やバナナを与えていましたが空腹度が違います。当初は警戒して黒糖と果物を食べると獣舎側に逃げ込んでいましたが、しばらく続けると果物のあとに木の葉も食べるようになりました。これまではちょっと「前進」したらすぐに上の段階へ訓練を進めていましたが、今回はじっくりと平面交差の中に馴らします。

 

昭和の歌謡曲「365歩のマーチ」がこれほど心に沁みたことはありませんでした...「千里の道も一歩から...休まないで歩け~」。頑張ります!

アキリ前進① 後肢まだシュート.jpg

↑まだ後肢が獣舎側に残っています。これでは扉を閉める事ができません。

アキリ前進③後肢入る.jpg

↑やっと全身入りました。「この一歩は小さな一歩だが...」という人類で初めて月面に降り立った宇宙飛行士の言葉を思い出しました。

 

苦労犀(クロサイ)担当 板橋 正憲