更新日:2021.04.04ズーラシアスクール 第6回「卒業式」
ズーラシアスクール 第6回「卒業式」
3月20日にズーラシアスクール10期生のリモート卒業式がおこなわれました。
10期生のテーマは「世界はつながっている ~一人ひとりがメッセンジャー~」、最後の目標は「動物と環境について自分なりのかかわり方を考えよう」でした。
これまでのみんなの学びを通して、これから動物や環境とどのようなかかわり方をしていきたいのか、みんなで考え、ズーラシアスクール10期生として周りの人にメッセージを宣言することを目標としました。
まずは、園長からの挨拶です。
園長からは、「地球環境に関しては暗い話が多かったかもしれませんが、皆さんのような若い人たちとそして私たちおとなが協力すれば未来は明るいと信じています。」と、これからの明るい未来に向けた挨拶がありました。
次に、みんなでズーラシアでの学びを振り返り、共有しました。
子どもたちには「ズーラシアスクールで学んだことを友だちに話すとしたら、どんなことを知ってほしい(伝えたい)ですか?」ということを考えてきてもらいました。
それを一人ずつ発表してもらい、これまでのみんなの学びを伝えあいました。
発表には、「ホッキョクグマと温暖化」「クロサイと密猟」「森林破壊」「パーム油」など授業で取り上げた内容や、「動物と植物との関係」「命の大切さ」など大きな視点、「友だちの大切さ」「チームワーク」などズーラシアスクールのメンバーで活動することによって考え方が変わった、という内容もありました。
動物園で直接会う機会が少なかったですが、10期生のみんながズーラシアスクールを通して学んだことを知ることができて、職員一同非常に嬉しく思いました。
次に、これまでの学びを通して「これからの動物や環境とのかかわり方」をみんなで考えて、「10期生みんなでこれからやっていきたいこと」を決めました。
議長を子どもたちの中から選出して、子どもたち中心で進めてもらいました。
話し合いでは、「ズーラシアだけにいる動物の生態を調べる」「人間と動物がフェアであることを広めていく」「食べるもの以外はむやみに動物を殺さない」といった意見が出ました。
その内容には、世界の動物保全に向けた取り組みに詳しい園長からも「この議論、今の世界で話題になっていることですよ すごいな~」と驚きの声が上がりました。
話し合いの結果、ズラスク10期生がこれからやっていくことは、「動物と人間はフェアな関係であるという考えを伝えていく」ということに決まりました。
そのためには、「動物や人間の現状を知ることが必要だ」という具体的な意見も出て話し合いは終了しました。
ついに、卒業証書授与式です。
10期生のみんなには「当日まで開けないで」と封筒に記載して、事前に卒業証書を郵送していました。
その封筒をみんなで一緒に開封する、リモートならではの卒業証書授与となりました。
リモートではありましたが、感動的な卒業証書授与式になったのではないかと感じています。
最後は、子どもたちも職員もお別れのタイミングが難しく、最終的にはカウントダウンでお別れしました。
これからズーラシアスクール10期生の皆さんは中学生になり、さまざまな環境の変化があると思います。
その中でズラスク10期生として、持続可能な社会に向けてここで学んだこと、考えたことを通して、周りの人にも影響を与えるメッセンジャーとして活動してもらえることを祈っています。
半年間という長いようで短い時間でしたが、皆さんと一緒の時間を過ごせて、職員もたくさんのことを楽しく学びました。
今年度のズーラシアスクールは、これまでにないリモートと動物園での学習を併用したスタイルとなりました。
そこで、まずリモートでも深い学びにつながる話し合いは可能であることを実感できました。特に子どもたち中心に進めることで、より自分事となり、深い学びになっていると感じました。しかし、動物を見る時のわくわく感や動物を観察することによる学びは、実際の動物を見ることにはかなわないことも実感できました。
これからは子どもたちの考えを中心として、実際の動物を見ることの強み、リモートでの強みの両方を活かし、ズーラシアスクールにおける保全教育を推進していきたいと思います。
またズーラシアで会えるのを楽しみにしています。
ズーラシア スクール担当 有馬 一