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更新日:2021.05.16ツシマヤマネコ 赤ちゃん成長記⑩

更新日:2021.05.16

ツシマヤマネコ 赤ちゃん成長記⑩

前回は赤ちゃんの授乳確認まで。そして、再び24時間の監視です。

 

出産当日は母子ともに変わりなく、ほのぼのとした映像をずっと見ていました。

このまま続くと思っていましたが、翌19日の午前641分、異変が突然訪れました。なんと、母親が赤ちゃんを抱かずにイヌ座り(おすわりの姿勢)しちゃったんです。姿勢を変えるのかな?と思って見てましたが、1時間もそのままです。

 

異変.png

 

職員がざわついてきた頃、ようやく母親は横になりました。赤ちゃんはすぐお腹の方に行こうとしていましたが、母親が抱く気配がありません。その後は赤ちゃんを離したまま座っていて横になろうとしませんでした。

 

横臥.png

 

犬座.png

 

このままでは赤ちゃんが死んでしまうため、母親が育てること(自然哺育)を諦め、飼育員が育てること(人工哺育)に切り替えることにしました。

 

母親から離して確認すると、赤ちゃんは生きてはいましたが、体が冷たくなっており、動くこともできません。また、母乳が出ているか確認したところ、ほとんど出ていませんでした。つまり、生まれてから満足に母乳が飲めていなかったんです。

 

まずは温めながら栄養補給です。いきなりミルクをあげても体力が消耗しているので、消化できないかもしれません。また、口に入れても飲み込めないかもしれませんで、カテーテル(医療用の細長い管)を口から胃に入れ、ブドウ糖を直接胃に流し込みます。

 

ブドウ糖.png

 

哺育器に入れ保温するとようやく動き出し、顔色も赤みを帯びてきました。ひとまず、命の危険から免れたようです。

  

では、次回へ続く。

  

筆まめではない飼育担当