更新日:2022.07.22ありがとうツヨシ
ありがとうツヨシ
動物園からのお知らせの通り、7月17日にホッキョクグマのツヨシが永眠いたしました。
ズーラシアへの移動が決まり、ツヨシを釧路市動物園へ迎えに行った時には、まさかこんなかたちで見送ることになるとは想像もしていませんでした...。
ツヨシといえば...
ごはんの準備をしていると、調理室をのぞき込み!
「食べるものを見ると興奮が抑えられません!」(だから画像もブレブレです)と、生きることに欠かせない「食」にまつわるエピソードをよく紹介してきました。
でも、元気なころから意外に食べるものの好みの幅は狭かったツヨシ。
体調の変化を確認してからは、日々食べる品目も減り、今日もりもり食べても、翌日にはまったく口にしなかったり、魚も一部分しか食べなかったり...
同じ品目でもおいしそうな部分を選ぶと食べたり、切り方を変えると食べたり、朝食べなくても午後には食べる...この品目は朝の方が食べる...など日々変わるツヨシの食のスイッチを探し、一喜一憂しつつツヨシとの時間を過ごしていました。
そんなお部屋での生活で大きな助けとなってくれたのはジャンブイの存在でした。
治療のため、お部屋が安心できる環境でなくなった時期もあったのですが、ジャンブイと一緒にいることで不安が多少軽減しているようでした。
一緒にいるといっても、互いに干渉することなく、背を向けてはいますが、何部屋もあるのにわざわざ同じ部屋に2頭で休んでいたり...
横にいるジャンブイが食べているのをきっかけにごはんをすこし口にすることもありました。
最後は食べない日が続きましたが、それでもこれまでのように毎日歩み寄りフェンス越しに顔を寄せてきてくれたツヨシ。
ツヨシの辛さを取ってあげることもできず無力さを感じる毎日でしたが、様々な形でツヨシに関わるみんながツヨシにとってのより良い選択を、よく考えた数か月でもありました。
最後は、ただただツヨシが好きなように、穏やかな毎日を過ごしてもらいそれを見守るだけでした。
さいごに...
ツヨシの体調の変化を認め、はじめは一時的なことであろうと、すぐに快方に向かうことを予測していました。その予測ははずれ、治療を続けて多少元気になるものの、快復することはなく、検査を進めれば進めるほどその病状は深刻であることが判明し、ずるずるずると展示場に出ることができない日が長く続いてしまいました。その間、みなさまには大変なご心配をおかけしたことと思います。ツヨシのことを静かに、そして暖かく見守っていただき、ありがとうございました。
私たちスタッフは、ツヨシの命に添うことで得た大きな学びを次の命へと繋いでいきます。
※おねがい
今回は献花台を設置する予定はございませんので、献花等、動物園にお寄せいただくことはお控えください。
7月23日(土)から、ホッキョクグマのトウホクノウサギ側観覧ビューでツヨシの思い出パネル展を行い、ツヨシの思い出をみなさんと共有したいと思います。
(担当:いとう さくら)