更新日:2022.11.18ありがとう、ホタル
ありがとう、ホタル
Jambo~~o(^・x・^)o
今日は残念なお知らせです。
ご報告が遅くなりましたが、9月21日に、ミーアキャットのホタル(メス・5歳)が死亡しました。子宮平滑筋腫による肝不全でした。
ホタルは、群れの中で産まれた子の中で唯一出産経験のあるメスでした。
以前こちらのブログ(ミーアキャットの例外?)でご紹介したように、本来であれば、母親以外のメスが出産をすると、群れの中のルール違反で群れから追い出されてしまうことが一般的です。
しかし、ホタルは出産したルナと共に、不思議と群れに受け入れられていたという、稀なミーアキャットでした。
ホタルは高台が好きで、朝ミーアキャット舎に担当者が行くと、必ず1番高い枝の上で待ち受けていたのがとても印象的です。
餌の時間になると足元に寄ってきて、餌をおねだりするなど、とても人懐こい性格のミーアキャットでした。
病気になってからはお腹に水が溜まってしまい、治療をしました。それでもホタルは元気に精一杯生きました。
こんなに小さな体で頑張って生きるホタルに、たくさんの勇気をもらいました。
ホタルがズーラシアで過ごした生涯が、少しでも幸せだと感じてくれていたらいいなと思います。ありがとう、ホタル。
とても辛く悲しい出来事ですが、立ち止まってはいられません。
他の17頭のミーアキャットたちにとって、幸せな生活環境であり続けるように今後も日々精進してまいります。
ほかにもホタルのいた群れの中には大きな変化がありました。
この群れのリーダーはミチルですが、ミチルも高齢のため、このまま他のミーアキャットたちと群れで生活していると、餌を満足に食べられなかったり、暖かい場所を他の個体に取られてしまい、冬場の寒さに耐えきれず衰弱してしまう可能性があります。
そのため慎重に検討した結果、ミチルを群れから離し、暖房設備のある別室で飼育することにしました。
ここ数年、いつかはこのような群れの関係性が変化する日は来るだろうと予想していましたが、どうやらそんな時期が来始めたようです。
別の群れも、母親のアミの絶対的な力は加齢に伴い、落ち着いてきています。
群れの中で小競り合いがあると、今まではリーダーのアミが自ら止めに入り、大きな闘争にならないようにしていましたが、最近は仲介に入らなくなってきました。
ミーアキャットの寿命は10年前後です。
ズーラシアの群れの親世代は8~10歳になってきているので、今後どちらの群れも大きく群れの関係性の変化が起こるかもしれません。
群れの関係性が変化することは、生きていれば起こりうることです。
何よりも大切なことは、動物福祉に配慮し、その個体ごとのニーズを満たせるようにすること!
こんな時こそ、飼育環境の見直しと改善、新たな環境エンリッチメント等への取り組みを初心に戻って考え直していきます。
今後もミーアキャットたちをどうぞよろしくお願いします!
飼育展示係 鈴木(由)