更新日:2022.11.28別れと出会い②
別れと出会い②
前回のブログはこちら→「別れと出会い」
まだまだ続くツシマヤマネコとの別れと出会い。
ちから(オス・推定16歳6か月)との悲しいお別れが11月6日。
こう(オス・3歳)とさすな(メス・1歳)が来園したのが11月10日。
そして...11月14日には、まゆ(メス・8歳)が京都市動物園に移動しました。移動の発表があってからは「まゆに会いに来ました!」という方がたくさんいらっしゃいました。ありがとうございました!【出発直前のキャリーケースに入ったまゆ】
事前にキャリーケースに入る練習をしていたので、移動当日もスムーズに中に入りました。(目隠しした方が落ち着くため段ボールでキャリーケースを囲っています)
見送ってからは時計を見るたび「今どこらへんかな?」「そろそろ着くかな?」と、そわそわしっぱなし。
その後「無事に到着し、異常もありません。」と連絡を受けたときは、本当にほっとしました。毎回動物の移動は緊張します。
ほっとした後は、主のいなくなった部屋を見てようやく実感し、さみしくなってしまいました。
私はツシマヤマネコの担当になったのが今年の4月からなので短い期間ではありましたが、まゆには本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
【キャリーケースに入るトレーニング中。「早く!」とお怒りの様子】
京都市動物園では、まゆは繁殖を目指し非公開の繁殖施設で飼育管理されるため、会うことはできなくなります。
姿は見えなくなりますが、これからもまゆのことを温かく応援していただければ嬉しく思います。【ありがとう!まゆ!これからも元気でね!!】
そして、まゆが出園した2日後の11月16日には京都市動物園からりょう(オス・8歳)が来園しました。
りょうも警戒心が強く、こちらも今はできるだけそっとしています。
また慣れてきたころにブログに書いていきますので、しばらくお待ちください...。【はじめまして!りょう】
野生のツシマヤマネコの数は推定90~100頭ほどといわれており、絶滅の危険性が非常に高い動物です。そのため、動物園と環境省が協力し飼育下繁殖に取り組んでおり、毎年この時期はツシマヤマネコの繁殖期に向けて移動が全国で実施されます。
飼育下個体群は野生でツシマヤマネコが絶滅してしまった場合の備えとして維持するだけでなく、頭数を増やして野生へ戻すということを目標しています。(その他にも調査・研究、普及啓発など様々な役割を担っています)
しかし、飼育下個体群も現在28頭(11月15日時点)と数が少なく、その中には高齢個体も含まれています。個体群を維持していくためには血縁関係、相性、年齢など様々なことを考慮した移動がどうしても必要となってくるからです。
これをきっかけに改めてツシマヤマネコを守るためにできること、すべきことをみんなで一緒に考えていけたらな、と思っています。
ツシマヤマネコがいるということを当たり前に思わずに...。
まゆの移動に伴ってツシマヤマネコの公開をお休みをしていますが、現在こうが放飼場に出る練習をしています。
【↑写真は休園日に実施した練習の様子。隣のマナヅルが気になる、こう】
こうの体調や様子を見ながら練習を実施しますので、時間は未定です。練習を実施していない場合もあります。
タイミングよく会うことができたとしても、まだ慣れていませんので、大きな声を出したりせず静かに観察していただきますようご協力お願いいたします。
最後に...【ようやく写真を撮らせてくれた、さすな】【新たな隣人?隣ヤマネコ?(こう)にちょっと緊張しているマミ】
飼育展示係 宮本