更新日:2023.05.17フンボルトペンギンを育てる その4
フンボルトペンギンを育てる その4
前回のブログ:フンボルトペンギンを育てる その3
皆さま、いかがお過ごしでしたでしょうか。
『フンボルトペンギンを育てる』ブログもだいぶご無沙汰してしまいましたので、少しだけ前回までのおさらいから。
兄弟(姉妹?)の成長差が大きくなり、1番目のヒナが巣を離れはじめました。しかも親鳥が2羽とも1番目のヒナについて行ってしまうため、2番目に生まれたヒナは餌をもらう機会が減ってしまいました。
そこで、担当者が足りない分の餌を2番目のヒナに与えることになりましたが...。
巣に残された2番目のヒナは、一体どうなったのでしょうか。
じゃじゃん。
安心してください!無事に育っていますよ(^^)
奥が1番目、手前が2番目のヒナです。
写真で見ても、体格差がなくなってきた感じがしますね。
しかも...
2番目のヒナも親鳥と兄弟を追いかけるように巣箱を出るようになりました(右が2番目のヒナです)
そして数日もしないうちに再び親鳥から餌をもらえるようになり、体重が右肩上がりに増え始めました。
「やぁー、これでひと安心。2番目、なかなかガッツがあるわ!」
と安心したのもつかの間。ヒナのいる巣箱の前で、これまで一度も見たことのない、おかしな糞を発見しました。
そして、少し離れたところで1羽でだるそうにしている母鳥の姿がありました。
嫌な予感がしました。
その翌朝、母鳥が死亡していました。
そして追いかけるように、父鳥も死亡してしまいました。
後の検査でわかったことですが、2022年の夏、鳥マラリア症が猛威を振るったのです。
2羽のヒナは、まだ自力で魚を食べられるほど成長していませんでした。お腹の空いたヒナの声が「ピョーロ!ピョーロ!」と獣舎に空しく響いていても、餌をくれる親鳥はもういません。
私たちが育てなくては。
この日から、親鳥に代わって飼育員がヒナたちを育てる「人工育雛」をすることになったのです。
つづく。
飼育展示係 五十嵐
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