更新日:2023.06.12冬を乗り切る秘策①、②
冬を乗り切る秘策①、②
みなさま、こんにちは!
じめじめした梅雨がやってきましたね~
今回は前回のブログで予告していた、アカアシドゥクラングールたちが冬を乗り切るために行った秘策とまではいかないですが、行った取り組みをご紹介します。
彼らは寒さがとても苦手で、冬季は展示をお休みしていました。
しかし、今年の冬はアカアシドゥクラングールを見られた!というお客様も意外と多かったのではないでしょうか?
実はこれが冬を乗り切るための秘策のひとつだったのです。
秘策1つ目は「外に出て運動をする」です!
寒さが苦手なので暖かい室内でぬくぬくと過ごさせてあげたいとも思いますが・・・。
私たち人間は寒くても日中はある程度活動します。
アカアシドゥクラングールたちも同じで、朝起きたら徐々に室内の空気を入れ替えながら気温に慣らし、展示場で運動をする時間を作りました。
暖かい運動場があればもちろんその方が良いのでしょうが、意外にも扉を開けると寒くても進んで外に出ていくのです。
無理はさせないために天候の悪い日や大寒波のような日は実施しませんでしたが、暖かい寝室と展示場を行き来自由にしておくと天気の良い日には展示場で長い間過ごすことも長くありました。
寒くなったらヒーターの前で温まることができるようにしていました。
そして運動をするとお腹も空きますよね!?
そこで「枝をこまめに手渡しする」
これが2つ目の秘策です。
アカアシドゥクラングールたちはリーフイーターという葉を主食とするサルで、野生では新鮮な葉を食べて、葉を消化分解するために休息し、移動してまた新鮮な葉を食べるという暮らしをしています。
お隣の展示場にいるフランソワルトンもリーフイーターですが、2種を比べるとアカアシドゥクラングールはとてもグルメです。サクラやヤナギなどの柔らかい葉、みずみずしい葉を好み、好みでない葉は一切食べずにポイっと捨てたりします。
でも、サクラやヤナギは落葉樹で秋には葉が落ちてしまうので冬には食べることはできません。冬に主としてあげているのはトウネズミモチという常緑樹です。
しかしこのトウネズミモチは葉が少しかたいので、アカアシドゥクラングールたちはあまり好きではありませんでした。
ですが、葉を食べなくては胃腸が動かず、体の中から熱も発散されずに寒いまま。
これでは体重も減ってしまいます。
そこで、どんな葉でも食べてくれるように昨年の春に担当になってから時間をかけて手渡しで枝を渡し、食べること(手差し給餌)を習慣となるように時間をかけて行ってきました。
枝の種類はサクラやヤナギはもちろん、1年中給与し続けるトウネズミモチやマサキ、タブなどです。
最初のうちは呼んでも反応がなかったり、寝ていたり、来ても受け取らないという日々でした・・・
また食べた葉を消化するのに体力を消耗し、寝る時間も多いのですが、そのタイミングも最初は分からなかったため、あげようと思ったら寝ていてタイミングを逃したということも多々ありました。
好奇心旺盛な子どもたちが呼ぶと少しずつ近づいてくるようになり、次第に好きなサクラの葉やおいしそうな葉の時は受け取るようにもなりました。
反応の良い時間も次第に分かるようになり、今では1日に最低でも6回、多い時には11~12回手差しで枝を給与しています。
この習慣がついたことが良かったのか、それともただ単に葉がおいしかったのかは分かりませんが、この冬はトウネズミモチも手差しで与えるとたくさん食べ、採食量が減ることも、体重が落ちることもありませんでした!
このようにたくさん食べて、寝て、運動をする!
それを繰り返すことで、冬でも体の中から熱を発散してぽかぽか過ごす。という秘策でした!
私たち人間も健康のために食べて、寝て、運動することはとても大切なことですね☆
今回はここまで!
次回は秘策③、④をご紹介します!
【飼育展示係 くわばら】
【6月30日まで】オットセイの動物福祉向上を目指して、クラウドファンディングに挑戦中!