更新日:2024.01.25秘密兵器のさかなバケット
秘密兵器のさかなバケット
皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さてミナミアフリカオットセイのハジメは、5月24日がくると21歳になります。オットセイとしては高齢になってきましたが、とても元気に過ごしています。
この日は私を見つけると、遠くから真っ直ぐビューンと泳いできました。
今日も調子がよさそうです!...ですが、年をとったらそれなりのケアが必要になってくることも。
ハジメの場合は、魚が十分に消化できないことが増えてきました。
未消化の魚の骨が胃にたまって体調を崩したことがあり、今は魚の骨を抜いて与えています。
しかし魚の骨を抜くと、どうしても身がくずれて鮮度が落ちてしまうという悩みがありました。うーん。
そんなある時、新聞に「さかなバケット」なるものが載っていることを、先輩が教えてくれたのです。
サンプル制作を依頼するとすぐにこちらが。
じゃじゃん。パッと見るとただの筒に見えますが、二重構造で上のバケツには穴が開いています。
魚が傷む原因の一つが、ドリップとよばれる肉などを解凍した時にでる赤い水です。
このドリップが下のバケツに落ちるので、上のバケツに入った魚は傷みにくいという発明品です!
試しに何度か使ってみたのですが、全然違います~(^^)
これを、腰につけてオットセイに給餌します。
今はまだ若い2頭のメス(ハッピー、ワン)も、いずれは年をとります。
秘密兵器の「さかなバケット」で、オットセイたちが長く、元気に過ごしてくれたらと期待しています!
最後になりましたが、この「さかなバケット」は、川崎市で活動しているモノづくり企業ユニット「タカツクラフト」さんが新江ノ島水族館さんと考案したもの(を元にカスタマイズしたもの)です。
新江ノ島水族館さんでは、これまで給餌バケツとしてプラスチック容器を使っていたのですが、この「さかなバケット」によってプラスチック廃棄量を減らすことができたそうです。
水族館や動物園、そして町工場のみなさんのコラボレーション。こういう取り組みが広がっていったら嬉しいなと思います。
飼育展示係 五十嵐