更新日:2024.05.09ハクナ、今までありがとう
ハクナ、今までありがとう
2024年5月2日、キリンのハクナが死亡しました。
今回のブログではその経緯についてお知らせします。
キリンのハクナは2020年11月頃から肢の調子が徐々に悪くなり、跛行が見られるようになりました。特にこの3年間は、寒い時期になると跛行が目立ち、暖かい時期になると少し改善するという事を繰り返していました。
昨年11月中旬頃からは症状が悪化しはじめ、右後肢に力を入れないように歩いたり、立位のまま腰を下げて休むようになっていきました。そのため、この頃から草原エリアで過ごすことを控えており、心配の声をいただくこともありました。
ハクナの肢の負担が少しでも和らぐよう、キリン舎のサブ運動場には真砂土を、寝室にはおが粉をより厚く敷くようにしました。また、ハクナの肢の具合は寒さにも影響されているような様子があったため、冬はキリン舎の保温に努めていました。
今年の3月~4月にかけては暖かい日にサブ運動場でよく歩きながら過ごすこともあり、慎重に様子を見ていましたが、5月2日に突然倒れ、起立できない状況となりました。このような状況から、今後の回復が見込めず、ハクナのQOL(動物の生活の質)を維持することが難しいと判断し、致死的処置を行いました。
ハクナは2015年によこはま動物園にやってきました。
そして、エマとカルメンとの間には3頭の子ども(エミリー・エレン・カナト)を残してくれました。
ハクナは子どもたちに対してもよくコミュニケーションをとる優しい父親でした。
ズーラシアの中でもひときわ背が高く、ダイナミックに木の葉を食べたり、草原エリアを優雅に歩く姿でたくさんの人を魅了してくれたと思います。
もちろん私自身も色々なハクナの姿に魅了された一人です。
また、ハクナは色々なことをよく観察しているのか、じっと何かを見つめるような様子が印象的でした。ハクナ自身が実際に何を考えていたのかは分かりませんが、その大きくて、優しい目が大好きでした。
ハクナは私たちに本当にたくさんのことを教えてくれました。ハクナが私たちに伝えてくれたこと、ハクナがいてくれたからこそ出来たたくさんの経験を無駄にしないように、これからも大切にしていきます。
みなさまへ悲しいご報告となってしまいましたが、今までハクナを愛してくださりありがとうございました。
お願い
献花台を設置する予定はございませんので、献花等、動物園にお寄せいただくことはお控えいただきますようお願いいたします。みなさまの心の中でハクナとの思い出を振り返っていただけるとうれしいです。
飼育展示係 下ノ村