更新日:2022.08.04袋のはなし① ー4つの乳首ー
袋のはなし① ー4つの乳首ー
今回はカンガルーの袋、育児嚢(いくじのう)についてです。カンガルーの袋の中ってにおいは?乳首ってどこのある?と、みなさん気になりませんか?私も気になっていたので、カンガルー担当になってすぐに確認した記憶があります。
(※今回のブログで登場するこどもたちの写真は全て過去に撮ったものです。現在こどもはおりません。)
子育て中ではないメスの育児嚢は、こんな感じ。このへその様に見えるのが、きゅっと閉まった育児嚢の入り口です。
この時期は育児嚢の全体もきゅっと締まっているので、弛みは少なく、中を覗こうとしても
このくらいが精一杯です。
ちなみに育児中だと、こんなに広がってもまだまだ平気。
カンガルーの育児嚢には乳首が左右に2対ずつ、計4つあります。
矢印がついているのが、使っていない乳首。左側の一番伸びているのが、使用中の乳首。右側のちょっと伸びているのが、前のこどもが使っていて、元のサイズに縮み中の乳首です。
この乳首をつかっていたのが、2個前の写真でも登場した、2018年のミロくん(現在は立派なオスに成長し、ガラスビュー側の展示場にいます)です。
御覧いただくと分かる通り、育児嚢の皮も乳首もだいぶ伸縮性がありますね。
育児嚢に入ったこどもは、乳首に吸い付き乳汁をもらいながら、もちろん排泄も育児嚢の中でします。お母さんは育児嚢の中を舐めて掃除し、清潔にしています。また、生まれてしばらくの間、こどもは毛がない状態のため、育児嚢の中は高湿度に保たれていて、こどもの皮膚が乾燥するのを防いでいます。こちら、かなり湿っている感じが伝わりますか?
こちらの矢印も、使っていない方の乳首です。小さなこどもいる頃は、お母さんがせっせと掃除をしているので、あまり匂いはありません(カンガルー臭に鈍くなっているので、私が気にならないだけかもしれませんが...)。育児嚢の中には意外と毛が多いことも、担当になってから知った発見でした。
ちなみにこちら↑は、現在ウォークスルーの群れにいる、のちのミラ(メス)です。こんなに小さくても、オスには睾丸・メスには育児嚢のへこみがあり、雌雄を見分けることができます。
長くなってしまったので、つづく。
(しばた)