更新日:2021.05.11名前は知っているけれど・・・。
名前は知っているけれど・・・。
昔話やおとぎ話には、動物や生き物が出てくる話が、たくさんありますね。
私も子供の頃は、たくさん昔話やおとぎ話を読んでいました。
話の中に出てくる動物や生き物で、実際には見たことがないものもあります。
で、子供だった私が大人になりまして、ついに本物を見たことがない生き物に出会うことができました!
それは、「タニシ」です。
「タニシ」が出てくる昔話、皆さんご存じですか?
「タニシ長者」というお話です。ざっくり説明すると、タニシとして生まれた男性と、人間のお嫁さんのお話です。
実際に見た「タニシ」は、昔話の挿絵で描いてある「タニシ」のイラストそのものでした。
子供の頃は、「そんな大きい貝、いないでしょ~?サザエじゃないんだし。」と思っていたのですが、本物のタニシは、私が思っていたよりも大きかったです。(私のイメージでは、かなり小さいシジミぐらいだと思っていました。)
そして、話の中にお嫁さんが、タニシのお婿さんを手のひらに乗せて話をするという場面があります。
私も、タニシを手のひらに乗せて写真を撮ってみました。まさに、「実写版・タニシ長者」!
タニシをアップにしてみます!
なんだか、子供に戻った気分で、浮かれてしまいました。すいません。
挿絵の「タニシ」には顔がありますが、本物の「タニシ」にも顔があるのでしょうか?
ちょうど、「タニシ」がガラス面に張り付いていたので、見てみましょう。
目と、口はこちらです。
さて、タニシについての詳しい説明は、私ではなく、生き物に詳しい担当さん、お願いします。
~担当さんから~
日本に生息するタニシの仲間は4種類で、横浜ではオオタニシとマルタニシ、ヒメタニシの3種類の記録があります。
慣れないと種類を見分けるのは難しいかもしれませんが、金沢自然公園で見られるタニシはおそらくオオタニシと思われます。
たぶんオオタニシ(左)とたぶんヒメタニシ(右)と思われるタニシと並べてみました。並べてみると何か違うということはわかるかと思います。
タニシは胎生といって、卵ではなく赤ちゃんタニシを産みます。赤ちゃんタニシの形が種によって特徴的なので、ちゃんと種類が分かるのは子供が生まれたときになりそうです。
タニシは物語に出てくるほど身近な生きものだったと思うのですが、最近は田んぼやため池がどんどんなくなり、タニシも住む場所が減って珍しくなりつつあるのかもしれません。
なるほど~。よくわかりました。
物語の中に出てくる、見たことがない動物や生き物は、挿絵のイメージで記憶している方がほとんどだと思います。
私もその一人です。
金沢動物園内や金沢自然公園内には、多くの動物や生き物が暮らしています。
子供の頃に読んで、名前だけは知っているという動物や生き物に出会えるかもしれません。
ちょっと、いつもとは違う目線で動物園や自然公園を探索してみるのも楽しいですよ。
飼育展示係 佐藤・先崎