更新日:2016.12.13今頃実のなっている植物
今頃実のなっている植物
落葉の季節、花の咲く植物が極端に少なくなっています。
植物にとって、自分の勢力範囲を広めるために頑張っている姿が、この時期見られます。
その姿とは、実をつけた姿です。
野鳥や小動物に果肉を提供する代わりに、糞とともに種子を遠くに運んでもらうという戦略です。
花が少ないこの時期、「ののはな館」周辺の「実のなる植物」を紹介します。
①ムラサキシキブ (クマツヅラ科)
春の花とともに秋には紫色の美しいので、平安時代の才媛、紫式部の名を借りて命名されました。
家庭ではムラサキシキブよりコムラサキシキブの方がつくりやすいのと、実の付きが良いので喜ばれます。
また、白い実のなるシロシキブもあります。
②ガマズミ (スイカズラ科)
果実はやや扁平で赤く熟します。
霜にあたった果実は酸味がありますが、食べられます。
小枝に付けたままホワイトリカーにつけると朱色の美酒が出来るそうです。
③センダン (センダン科)
「センダンは双葉より芳し」のセンダンはビャクダン科の「白檀」(びゃくだん)で本種とは関係ありません。
写真のように白い果実が鈴なりになっているさまが「千の団子」→転じて「センダン」と命名されたようです。
しかし...タイワンリスがこの枝をかじって剥いてしまい、動物園の動物に木陰を提供してきたこのセンダンが枯れ始めています。
④ ヤブミョウガ (ツユクサ科)
円海山周辺の谷筋の、薄暗い湿地に群生しています。
ミョウガの葉に似ていることからこの名前が付きましたが、ミョウガとは全く別のツユクサの仲間です。
秋に青から紫色の光沢のある実をつけます。
果肉はなく、秋が深まるにしたがって、実の色もあせて、白っぽくなっていきます。
⑤ナンキンハゼ (トウダイグサ科)
秋の紅葉はとても美しく、動物園内ではアフリカ区の園路沿いに植えられています。
そして紅葉が終わると、黒くなった果皮が根元から剥がれ落ち、白色の種子だけが樹上に残り、異様な感じさえします。
この白い物質はろう質物で、ロウソクを作ったこともあるようです。
⑥クロガネモチ (モチノキ科)
樹皮から鳥もちがとれ、葉柄や枝が紫色を帯びることから「黒鉄黐」の名が付きました。
この果実は結構遅くまで残っていますが、野鳥たちもいよいよ食べるものがなくなる頃、短日間に全くなくなって(食べて)しまうようです。
by花咲じじい