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更新日:2024.07.16巣立ちビナの保護について

更新日:2024.07.16

巣立ちビナの保護について

病院担当です。

鳥インフルエンザの防疫期間があけて、野生の傷病鳥についての問い合わせが増えています。その中でも多いのが「鳥のヒナが一羽でいて親鳥が見当たらない。保護して連れて行ってもいいか」という問い合わせです。

保護すべきか迷った時は、まずはヒナの状態をご確認ください。

シジュウカラ.jpeg

こちらはシジュウカラの巣立ちビナです。このような羽毛が生えそろっていて、二本脚でしっかり立てているヒナは保護の必要がありません。野鳥のヒナは巣立ってから少しの間は上手に飛んだり、餌をとったりすることができません。この期間は親鳥がヒナの元に通って、餌の取り方や外敵からの身の守り方など、野生で生きていくために必要なことを教えます。

親鳥は人間が近くにいると警戒してヒナに近寄れません。親鳥はいないように見えても、近くからヒナを見守っています。親鳥の子育てを邪魔しないよう、このような巣立ち雛を見かけた場合はすぐにその場を離れましょう。

メジロ.jpeg

こちらはメジロの巣立ちビナです。羽毛が生えそろい、しっかり止まり木にもとまれています。保護の必要はありません。

よくあるご相談として、ヒナがいる場所が交通量の多い道路の側であったり、カラスやネコが多い場所であったりして、心配で放っておけないというものがあります。その場合は近くの藪の中など、隠れられる場所へ移動させてください。ヒナと親鳥は鳴き声でコミュニケーションを取っていますので、姿が見えなくても大丈夫です。

もしヒナが衰弱していたり、けがをしていたりして保護が必要そうな状態であったり、保護が必要か判断に迷う場合には、拾う前に一度電話などでお問い合わせください。

ツバメ.jpeg

こちらはツバメの巣内雛です。まだ羽毛が揃っておらず肌が見える状態で、しっかり立つこともできません。このようなヒナの場合は、近くに巣があればその中に戻していただくか、巣の近くへ置いてください。

一羽でいるヒナを見ると思わず拾いたくなるかもしれませんが、野生での生き方を教えるのは親鳥しかできません。ヒナのためにも手を出さず、そっとしておいてあげましょう。

 

たなか