更新日:2019.03.19山が春めきはじめた頃
山が春めきはじめた頃
毎年思うのですが、日本の気候は本当に生物に優しい気候だと思います。
特に植物に。
冬の間ほとんど降らなかった雨が、最近は二日おきに降っています。
植物はその雨を根から吸収し、気温の上昇と共に、花を咲かせたり葉を成長させたり・・・。
今回も園内を歩き、春の日差しを感じながら草本植物、木本植物と春を感じたところにカメラを向けてみました。
① アマナ(ユリ科) のんびり野原
もともとこの本園に自生していたものでなく、金沢区内小柴の農地改良地区内にあったものを、
のんびり野原に移植し、育てられたものです。
今ではかなり増えました。
花は日が照ると開き、曇ったり寒い日は閉じます。
チューリップの原形のような感じを受ける植物です。
② ハナモモ (バラ科)のんびり野原とうきうき林の間
毎年この場所で、この時期にきれいに咲いてくれています。
③ サンシュユ (ミズキ科)うきうき林
原産は朝鮮、中国で、1720年頃渡来しました。
この時期に葉に先立ち枝一面に散形花序(さんけいかじょ)をつけ、黄色の小さな花を20~30個密に開きます。
宮崎県の民謡で平家の落人が詠んだ恋歌「ひえつき節」の
「♪庭のさんしゅの~♪」は山椒(さんしょう)のことでミカン科の別の植物です。
④ ヨコハマヒザクラ (バラ科) うきうき林
横浜で誕生したサクラです。
早咲きの鮮やかな紅色のカンヒザクラと、病気に強いヤマザクラ(兼六園熊谷)を交配させ、
丈夫で美しい桜が誕生し、「ヨコハマヒザクラ」と名付けられました。
ちなみにカンヒザクラは同じ遊水池の南側に植えられ、すでに咲きだしています。
⑤ セキショウ(サトイモ科)みずの谷
全く目立たない植物なので取り上げました。
五月五日のこどもの日に「しょうぶ湯」に入りますが、あのショウブよりずっと小型の水辺に群生する常緑の多年草です。
花はサトイモ科独特のつくり(ミズバショウの花の構造)で、決して美しいとは言えませんが、写してみました。
⑥ オランダガラシ (アブラナ科)みずの谷
別名クレソン。クレソンの名の方がとおりが良いと思いますが、日本名は「オランダガラシ」といいます。
ヨーロッパに広く分布する多年草で、肉料理の付け合わせやサラダ用に栽培されたものが野生化しています。
花はまだ咲いていませんが、ぬるんだ水に茎や葉が大きくなり始めています。
⑦ ヒメオドリコソウ (シソ科) 園内各所
ヨーロッパ原産の2年草でホトケノザと似た花を付けます。
ヒメオドリコソウは葉に特徴があり、葉の上部は密集して赤紫色を帯びるのが特徴です。
小さな花をよく見ると、花笠をかぶった女性が手を打って踊っているようです。かわいいですね。
⑧ ヒユウガミズキ (マンサク科) 園内各所
葉が出てくる前に2㌢ほどの短い穂状の花序に黄色の花を2~3個咲きます。
園内にはこの花よりもうちょっと大きなトサミズキも咲きだしています。
⑨ キブシ (キブシ科)園内各所
この辺の日の当たる山の林縁に自生する植物で、春を告げてくれる植物ですね。
もう咲きだしています。花穂(かすい)の長さは4㌢~10㌢になります。
⑩ のんびり野原上部から東京湾を見下ろす。
東京湾も春霞がかかるようになりました。湾が光っていました。
梅が終わり、早咲きの桜も咲き始めました。今年はソメイヨシノの開花も早いようです。
花粉症の方はマスクをして、植栽された植物の花、自然に生えた植物の花、春を感じに来てください。
by花咲じじい